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第1部
第20話 フィリア視点③―アカリ視点で8話~9話の中盤―
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イルリたちにおちょくられて余計に恥ずかしくなる。
普段から割とイルリたちからは揶揄られているけど。特にルーミャから。今日は団結力まである。何たることだ。
自分はいじられキャラじゃないのにと憤慨していると、急にふわりと温かいものに包まれる。見れば、アカリが私を抱き締めていた。
ち、近いって!
顔めっちゃ近いし、水浴びただけのはずなのに甘い匂いすごいし!!
優しく手が腰に回されて、アカリの胸が私の胸にふにゃりと潰れて、耳元に熱い息がかかる。思わず「あっ♡」と声が出てしまう。
「かわいいね♡フィリア♡」
「はぅっ♡あ、あかりぃ…耳元で……こしょばいよぉ♡」
元々火照った身体がぞくぞくっと快感に包まれ、思考がどんどん蕩けていく。足に力が入らなくてアカリにしがみつき、無意識の内にアカリに頬擦りしていた。
イルリたちがこっちを見て何か言っていることに気付き、自分が今していることを自覚して慌ててアカリから離れる。
足がガクガクと震えているけど何とか立って、頭に思い浮かぶ言葉を一気にまくし立てると、
「うんうん。フィリアは可愛いね」
と余裕気に返される。
「う~」
アカリに会ってから今までずっと彼女のペースに惑わされてばっかりだ。だけどそれも悪くないと思ってしまっている私もいるわけで、心はずっとちぐはぐだ。
結局料理はアカリのおかげで想定よりも早く完成し、出来栄えは今までに比べて数段良かった。料理が上手くできたのはいい事だけど、作ったのが半分くらいアカリなため、少し複雑。
そんな私の内心を察してくれたのか、イルリたちがフォローを入れてくれる。
「み、みんなぁ……!」
中々料理が上達しなくていつもイルリたちが喜んでくれるか不安だったけど、今までの私の苦労は無駄じゃなかったんだ!!
「んー!これすっごく美味しい!!いつもよりも美味しい!すごいね!アカリ!」
「ちょっ!?私のが一番好きなんじゃなかったの!?」
「美味しいのと好きなのは別ー!!」
「アハハ。ありがとねー、イルリ」
「んぅ…美味しい、アカリ、料理上手」
「お、美味しい…!」
「フフ。ありがと、ルーミャ、コン」
食べ始めて一気に押し寄せるイルリたちのアカリに対する賞賛の嵐。
心の中で「ぐぎぎぎぎぎ…」とアカリを恨めし気に見る。あまりに悔し過ぎて無言でご飯を掻きこむ。
食べてみると本当にいつもより美味しくて、余計に悔しかった。
でも、もしもこれからずっとアカリがここにいてくれるなら、この美味しいご飯を毎日食べられると考えたら、何だかニヤニヤしてしまって………いやいや、アカリにはアカリの事情があるだろうし、村長の言葉もあるし、ずっと一緒にはいられない。
明日か明後日か、もしかすると今日の夜にでもアカリがいなくなってしまうと考えると、苦しいくらいの寂寥感が胸に押し寄せる。
いつの間にか食べ終わっていて、食器を片付けてママ用に取り寄せておいたものを持ってママの寝室に向かおうとするとアカリに引き留められた。
「…私も付いて行っていい?挨拶したいからさ」
「んぅー…。まあ、アカリにならいいかな。付いてきて」
よく考えたら今日のついさっき会ったばかりなのにこんなに、病気のママに会わせたいと思う程に信頼してしまっている自分に驚いている。
アカリをママの寝室へ通し、いつも通りママにご飯を食べさせる。今日もママは起き上がれない。寧ろ昨日よりも弱っているように見えた。
そんなママを見ていると何だか胸の奥が苦しくなってしまって、空になった食器を抱えてアカリの方を振り返ると、アカリはすごく複雑そうな表情をしていた。
アカリの顔を見ると何故かすごく安心して、無性に甘えてしまいたい衝動に駆られる。
「ちょっとだけ、私の部屋でお話してもいい?」
「……うん」
私の部屋にアカリを連れて行って、気付けば私は長々と家の事情や、森の中で熊に襲われていた経緯を話していた。
アカリのことも考えずに一気に話してしまってからハッとなる。
会ったばかりなのにこんな重い話をして引かれてないだろうか。俯いてアカリの言葉を待つ。怖くて顔が見れない。
しばらく待っていたら、
「フィリア、薬の材料って森のどこかにあるってわかってるの?」
どうやら真剣に私の話について考えてくれていたようだ。何だか無性に嬉しくなって顔がニヤケてしまう。
しかし、聞かれた通りベアナルについて説明すると、改めてママを治すまでの道のりの長さを自覚して悲しくなってしまう。
「フィリア」
声を掛けられる。
顔を上げてアカリを見ると、すごく真剣な顔で強い眼差しを向けられて思わず胸がドキッとしてしまう。
「な、何?」
「私はフィリアのことが好きだから、フィリアのこと、いっぱい慰めてあげたい!フィリアと知り合ったばっかで分かんないことも多いけど、少しでもフィリアの力になりたい!だから、何かして欲しいことがあったら何でも言って欲しい!」
「すっ、好きって…も、もぅ……そんな言葉、簡単に使っちゃ駄目だってママが言ってたよ?」
ど、どうしよう。「好き」ってまた言われて、すっごく嬉しい。
というより、して欲しいことか。何でも………何でも。
して欲しいことは一つしか思いつかないけど、言うのちょっと恥ずかしいな。
恥ずかしいから耳打ちする。
「じゃ、じゃあ…森でやったの、またして欲しい」
い、言っちゃった!言っちゃった!
「あ、もしかしておっぱい吸「わああぁぁぁーー!!言うなー!」こと?」
もしイルリたちにこんな話聞かれてたら今度からどんな顔して話したらいいの!?
…いや、まだイルリたちはご飯を食べてるはずだ。きっとそうだ。
なんて頭の中で自問自答しているとアカリに顔を覗きこまれた。めちゃくちゃ美人で、絶対今アカリの頭の中はえっちなことでいっぱいなはずなのに、寧ろそれが妖艶に映って下半身がじゅくじゅくと濡れるのを自覚する。
視線で「自分で脱いで」と言われている気がして、死ぬほど恥ずかしいけど早く吸って欲しくて、自分の手で服の裾を捲り上げていく。
「え。マジでいいの?それ、寧ろ私のご褒美になっちゃうけど?」
「その……ぉ、ぉっぱぃを吸われてる時、頭の中が真っ白になって、気持ち良いことしか考えられなくなって、嫌なこと全部忘れられたから………」
「また、吸って欲しいんだ」
アカリはそう言いながら、露わになった突起を指の腹で撫でる。
さっき触られた時よりもずっとびくびくと体が反応して、じれったさに頭が沸騰しそうになる。
気付けば自分から誘惑していて、目の前の可愛い野獣に捕食される。
普段から割とイルリたちからは揶揄られているけど。特にルーミャから。今日は団結力まである。何たることだ。
自分はいじられキャラじゃないのにと憤慨していると、急にふわりと温かいものに包まれる。見れば、アカリが私を抱き締めていた。
ち、近いって!
顔めっちゃ近いし、水浴びただけのはずなのに甘い匂いすごいし!!
優しく手が腰に回されて、アカリの胸が私の胸にふにゃりと潰れて、耳元に熱い息がかかる。思わず「あっ♡」と声が出てしまう。
「かわいいね♡フィリア♡」
「はぅっ♡あ、あかりぃ…耳元で……こしょばいよぉ♡」
元々火照った身体がぞくぞくっと快感に包まれ、思考がどんどん蕩けていく。足に力が入らなくてアカリにしがみつき、無意識の内にアカリに頬擦りしていた。
イルリたちがこっちを見て何か言っていることに気付き、自分が今していることを自覚して慌ててアカリから離れる。
足がガクガクと震えているけど何とか立って、頭に思い浮かぶ言葉を一気にまくし立てると、
「うんうん。フィリアは可愛いね」
と余裕気に返される。
「う~」
アカリに会ってから今までずっと彼女のペースに惑わされてばっかりだ。だけどそれも悪くないと思ってしまっている私もいるわけで、心はずっとちぐはぐだ。
結局料理はアカリのおかげで想定よりも早く完成し、出来栄えは今までに比べて数段良かった。料理が上手くできたのはいい事だけど、作ったのが半分くらいアカリなため、少し複雑。
そんな私の内心を察してくれたのか、イルリたちがフォローを入れてくれる。
「み、みんなぁ……!」
中々料理が上達しなくていつもイルリたちが喜んでくれるか不安だったけど、今までの私の苦労は無駄じゃなかったんだ!!
「んー!これすっごく美味しい!!いつもよりも美味しい!すごいね!アカリ!」
「ちょっ!?私のが一番好きなんじゃなかったの!?」
「美味しいのと好きなのは別ー!!」
「アハハ。ありがとねー、イルリ」
「んぅ…美味しい、アカリ、料理上手」
「お、美味しい…!」
「フフ。ありがと、ルーミャ、コン」
食べ始めて一気に押し寄せるイルリたちのアカリに対する賞賛の嵐。
心の中で「ぐぎぎぎぎぎ…」とアカリを恨めし気に見る。あまりに悔し過ぎて無言でご飯を掻きこむ。
食べてみると本当にいつもより美味しくて、余計に悔しかった。
でも、もしもこれからずっとアカリがここにいてくれるなら、この美味しいご飯を毎日食べられると考えたら、何だかニヤニヤしてしまって………いやいや、アカリにはアカリの事情があるだろうし、村長の言葉もあるし、ずっと一緒にはいられない。
明日か明後日か、もしかすると今日の夜にでもアカリがいなくなってしまうと考えると、苦しいくらいの寂寥感が胸に押し寄せる。
いつの間にか食べ終わっていて、食器を片付けてママ用に取り寄せておいたものを持ってママの寝室に向かおうとするとアカリに引き留められた。
「…私も付いて行っていい?挨拶したいからさ」
「んぅー…。まあ、アカリにならいいかな。付いてきて」
よく考えたら今日のついさっき会ったばかりなのにこんなに、病気のママに会わせたいと思う程に信頼してしまっている自分に驚いている。
アカリをママの寝室へ通し、いつも通りママにご飯を食べさせる。今日もママは起き上がれない。寧ろ昨日よりも弱っているように見えた。
そんなママを見ていると何だか胸の奥が苦しくなってしまって、空になった食器を抱えてアカリの方を振り返ると、アカリはすごく複雑そうな表情をしていた。
アカリの顔を見ると何故かすごく安心して、無性に甘えてしまいたい衝動に駆られる。
「ちょっとだけ、私の部屋でお話してもいい?」
「……うん」
私の部屋にアカリを連れて行って、気付けば私は長々と家の事情や、森の中で熊に襲われていた経緯を話していた。
アカリのことも考えずに一気に話してしまってからハッとなる。
会ったばかりなのにこんな重い話をして引かれてないだろうか。俯いてアカリの言葉を待つ。怖くて顔が見れない。
しばらく待っていたら、
「フィリア、薬の材料って森のどこかにあるってわかってるの?」
どうやら真剣に私の話について考えてくれていたようだ。何だか無性に嬉しくなって顔がニヤケてしまう。
しかし、聞かれた通りベアナルについて説明すると、改めてママを治すまでの道のりの長さを自覚して悲しくなってしまう。
「フィリア」
声を掛けられる。
顔を上げてアカリを見ると、すごく真剣な顔で強い眼差しを向けられて思わず胸がドキッとしてしまう。
「な、何?」
「私はフィリアのことが好きだから、フィリアのこと、いっぱい慰めてあげたい!フィリアと知り合ったばっかで分かんないことも多いけど、少しでもフィリアの力になりたい!だから、何かして欲しいことがあったら何でも言って欲しい!」
「すっ、好きって…も、もぅ……そんな言葉、簡単に使っちゃ駄目だってママが言ってたよ?」
ど、どうしよう。「好き」ってまた言われて、すっごく嬉しい。
というより、して欲しいことか。何でも………何でも。
して欲しいことは一つしか思いつかないけど、言うのちょっと恥ずかしいな。
恥ずかしいから耳打ちする。
「じゃ、じゃあ…森でやったの、またして欲しい」
い、言っちゃった!言っちゃった!
「あ、もしかしておっぱい吸「わああぁぁぁーー!!言うなー!」こと?」
もしイルリたちにこんな話聞かれてたら今度からどんな顔して話したらいいの!?
…いや、まだイルリたちはご飯を食べてるはずだ。きっとそうだ。
なんて頭の中で自問自答しているとアカリに顔を覗きこまれた。めちゃくちゃ美人で、絶対今アカリの頭の中はえっちなことでいっぱいなはずなのに、寧ろそれが妖艶に映って下半身がじゅくじゅくと濡れるのを自覚する。
視線で「自分で脱いで」と言われている気がして、死ぬほど恥ずかしいけど早く吸って欲しくて、自分の手で服の裾を捲り上げていく。
「え。マジでいいの?それ、寧ろ私のご褒美になっちゃうけど?」
「その……ぉ、ぉっぱぃを吸われてる時、頭の中が真っ白になって、気持ち良いことしか考えられなくなって、嫌なこと全部忘れられたから………」
「また、吸って欲しいんだ」
アカリはそう言いながら、露わになった突起を指の腹で撫でる。
さっき触られた時よりもずっとびくびくと体が反応して、じれったさに頭が沸騰しそうになる。
気付けば自分から誘惑していて、目の前の可愛い野獣に捕食される。
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