王立魔法学院の名もなき花は、今日も魔法を夢見てる
地方都市リベルで暮らす十五歳の平民少女、リリア・フィオーレ。
幼い頃、母が重い魔力熱に倒れながら、地方には十分な治癒魔法が届かない現実を経験したリリアは、「いつか誰もが魔法の恩恵を受けられるようにしたい」という夢を抱き、奨学生としてアルフェリア王立魔法学院へ入学する。
そこで同室となった伯爵令嬢セレスティア、恵まれた才能と教育環境を持つ学院首席アレンと出会い、憧れていた学院生活を歩み始める。
しかし、リリアの魔力量は平均以下。火・水・風・土・光・闇――六大基礎属性のどれにも高い適性を示さず、実技では落ちこぼれてしまう。
それでも諦めず魔法を学び続けたある日、植物育成実習で、リリアの足元に名もなき白い花が咲く。
それは六属性のどれにも当てはまらない、魔力そのものの性質を変える不思議な力の兆しだった。
そして同じ頃、誰にも知られることなく、王立魔法学院の地下深くで数百年間眠っていた古い魔導施設に、一つの光が灯る。
やがて三校魔法交流祭の開催が告げられ、リリアは生活魔法研究部門への参加を決意する。
目指すのは最強の魔法使いではない。
故郷にも、魔法の届かない誰かにも届けられる、小さくて優しい魔法。
名もなき少女の学院生活と、まだ名もなき魔法の物語が始まる。
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