商人はクロバルゼス商会長の元に相談に向かう

商会長、あの小僧がランクスルバウム男爵家に現れました。令嬢を救いたいと言われました

あの小僧が…関わるな！！ あの小僧だけは２度と関わるな！！ あの程度の借金どうでも良い！！ あの小僧だけは敵にするな！！
クロバルゼス商会長が驚き叫んでいる

借金よりも令嬢だけを救いたいと…あの小僧何か企んでいるのでしょうか？

あの小僧の恐ろしさは解っているだろう？ あの男爵とあの商会が喧嘩売るなら、遠くで見ていれば良い！！ 絶対に関わると大損するぞ！！

借金の取立ては少し様子を見させて貰います…あの小僧の機嫌を損ねない様に致します

フィーネリーゼは男爵に呼び出される

フィーネリーゼ、結婚相手決まったぞ！！ あの小僧にもう会うことは禁止する

男爵が笑みを浮かべながらフィーネリーゼを見ている

え！ 何故ですか？ 何故急に

結納金も妹と共に金貨１００枚借金返済も出来るぞ！！ 運も向いてきたぞ！！ワッハッハッハッハ
男爵が上機嫌に高笑いしている。女性が入口から覗き、溜め息をしている

娘の不幸を笑うのですか？ あの笑顔失いたくないですが…イールスさんに連絡を取れれば…
女性は悔しそうに男爵を見ている

男爵家に商人がやってくる

あの娘か…ヒッヒッヒッヒ…中々良さそうな悲鳴をあげてくれそうだな…妹も一緒にくれるのか？
商人が笑みを浮かべている

支度金はどのぐらいだ？ それ相応の支度金で無いと無理だな…競争相手もいるしな…

あれなら…妹含めて金貨…１００枚支払おう

早速準備をさせよう…早く支度金を用意してくれ
男爵が満足そうに笑みを浮かべながら言うと、商人も満足そうな笑みを浮かべている

騎士の詰所に男が入ってくる

御嬢様、例の男が王立学院に現れました
男が女騎士に報告をする

御嬢様と言うなと言ってあるだろ！！ ふふふ、弟達の敵討ちに行くぞ！！ 滅多打ちにして思い知らせてやる
リゼッタが不適な笑みを浮かべながら歩いて行こうとする

リゼッタ！！ 何処に行く！！ 職務放棄は許されないぞ
騎士がリゼッタを見付けて怒鳴る

訓練するぞ！！ 覚悟しろ！！

リゼッタが訓練用の剣を振り抜き、騎士の鎧が砕けながら弾き飛ばし、騎士は壁に叩きつけられて、気絶している。他の騎士達が物音に集まってきて、リゼッタを見た瞬間溜め息をしている

は………またやったのか？ 犠牲者が増えていく…誰かリゼッタを黙らせられる人いないのか？手に追えない猛獣を黙らせる猛獣使いいないのか？ 団長戻ってきてほしい……

フィーネリーゼは男爵に呼び出される

フィーネリーゼ、あのイールスとか言う小僧を籠絡出来たか？ あの小僧の家柄も聞き出せたか？

え？ 仲良く温室で話していますが…家柄なんて関係ありませんわ
フィーネリーゼが驚いて男爵を見ている

兎に角、籠絡して支度金を沢山もらえるようにせよ！！ やっと運が向いてきたな…フッハッハッハッ

フィーネリーゼは悪い予想をして悲しそうな顔をしながら男爵を見ている

アーメリアとメサリアは、それぞれフィーネリーゼの噂等を集めている

イールス何故こんな歳の離れた女を…嫌ですの…
メサリアは調査結果を見て呟いていると、アーメリアも溜め息をしている

外の噂と人柄が全く違いますね…親の所為でもここまで酷い婚約者はいません…良い親の元に生まれていたら、文句は言えませんが…メサリア様、御相談ですが…父親を葬っても宜しいですか？
アーメリアが報告書を読みながらメサリアを見て言う

葬るのは任せますわ…イールス、もっと若い令嬢を選びなさいですわ

イールス、母親が恋しいのでしょうか？

え！ 母親が恋しい？ イールスの母親代わりをしますのーーーー
メサリアが立ち上がり叫ぶと、アーメリアが少し呆れたように見ている

メサリア様も内面が、違いすぎますね…メサリア様を恐れて話せない人に見せたいですわ

バロンは 呆然と護衛達を見て、頷く護衛達に血の気が引いていくのを感じている

イールス様が本当に作成したのか？ え？ しかし、剣士では？ 魔剣は中々完成しないのでは？ 本当に？ …とんでもない人なのか？ とんでもないのは…あのポーションで解っていたが…もしかしてあのポーションもイールス様お手製か？ 誰に聞いたら解るのか？

今更ながら叫びたい…誰か教えてくれーーー イールス様が作ったのは本当なのかーーーーー

バロンは心の中で叫び続けている

バロンは休憩中、魔剣を見ながら考え込んでいる

俺に魔剣を…使いこなせるのか？
魔剣の凄さは解るが…何故何本も魔剣が…それも簡単に貸し出す方がおかしいが…護衛達が何も言わずに使うのも何を考えている？
はぁ…考えても仕方無いか？ 今は魔剣を使いこなす方が先だろうが…雑念は捨てよう

しかし、気になる………イールス様は何処でこの魔剣を得たのか？ レズムード伯爵家が魔剣を所蔵していたのか？
護衛達少しは情報を共有して欲しい

バロンは護衛達を見ていると、護衛が目線を避けている

イールスは、フィーネリーゼの温室を見て回り考え込んでいる

フィーネリーゼ様、話しやすいし…楽しい…温室趣味なんて…ブライドル様の亡くなった奥様と同じ趣味なんて…１度ブライドル様を連れてくるかな？ 喜びそうだな…

ヘルクドールはメサリアが甲高く叫ぶのを毎回見て呆れている

メサリア、淑女の鏡と言われた面影が無くなっているぞ…もう少し自重を…何で子供達は自重という言葉を忘れなのか？ ………

母親の血筋は、まだまだ後に出てくる予定です。 母親も祖母も不運な人だと後々に………あ！ 内緒ですよ！！

良いですね

魔剣を鑑定する職員は、メデルに呼び出され嫌な予感をしながら部屋にやってくる

部屋の中にイールスがいるのを確認すると、並べられた剣を見て苦笑いする

やはりイールスの魔剣なのか？ 鑑定しなくても良くないか？ またとんでもない魔剣を作ったのだろうから…メデル様の顔色ですぐに解るから…

職員が剣を鑑定していき、メデルを見ている
メデル様、以前と同じですが…魔力の吸収が少ないのは何故でしょうか？
え！！ そんなこと聞きたくないです！！ イールスですから秘密にしなさい！！ 良いですね！！

メデルの必死な形相を見て職員が、またかと思いイールスを見ている

イールスの指示の通りにリシリアが材料を砕いている

リシリア、ありがとう、作業が進むよ
イールスが微笑みながらリシリアの手元を見ている

イールス様、頑張ってイールス様の役に立ちます。凄く嬉しいです


イールスが材料を煮込み始めると、魔力を流し初め、その魔力をリシリアが見惚れている

イールス様、凄い魔力…いつか私もイールス様と一緒にポーション作りたい…手伝っているから一緒に作ってました！ イールス様の側に居れるなら毎日でも作りに来たいです

日が暮れる頃、イールスとセーレンが話をして鍛冶師の所に向かい、戻ってくると、セーレンとメデルの言い合いを見て驚き、後退りしている
リシリア、すぐに終わるからね
イールスが微笑みながらリシリアを見ている
凄い剣幕… 恐いです…
リシリアが呟き、言い合いが終わるのを待っている

イールス、この数作るなんて…何日で全部終わるのよ… 魔剣の量産は辞めなさい…
メデルがイールスを見て呟き、セーレンが笑っているのを見て、リシリアが少し落ち込んでいる

毎日イールス様とポーション作りをしたかったのに…作れないなんて… 折角のイールス様との時間が…………

イールスが迷宮に出掛けると、メサリアはリシリアを部屋に呼び出す

メサリア様御用でしょうか？
リシリアが怯えるように震える声で頭を下げている

服を脱ぎなさいですわ！！ 下着から着替えなさいですわ

メサリアが睨みながら言うと、リシリアが驚いた様に目を見開いてから、服を脱ぎ始めると、メサリアが慌てた様にしている

ここで脱ぐのですか！！ 何を考えてますの！！
服を脱げと…命令には従います…

リシリアが涙目でメサリアを見ていると、メサリアが慌てて侍女を呼び、リシリアの着替えを手伝う様に指示をして、リシリアと侍女が出ていく

リシリアがドレス姿に着替えて戻ってくると、リシリアの腕と足の細さにメサリアが驚いている

痩せすぎですわ！！ しっかり食べていましたの？ フラフラして大丈夫ですの？
毎日夜にパンとスープを頂いていましたが…

え！ …………ここでは朝と夜はしっかり食べなさい！ お腹が空いたら、すぐに何か用意しますわ！！ 疲れたなら座りなさいですわ…

メサリアが心配そうにリシリアを見ている
え！………………どうしたら？

リシリアがどうして良いか解らず、挙動不審になっていると、メサリアがソファーに座るように言い、どんな生活をしていたか、詳しく聞き出している

可哀想ですの…礼儀作法の勉強と他の勉強は毎日しなさいですわ…食べ物と寝る場所と衣服は心配ないですの…良く見たら凄く可愛いですのーーーー

メサリアは部屋に戻り侍女を呼び出している

メサリア様御用でしょうか？
侍女がメサリアの不機嫌そうな顔を見て少し怯え気味に聞く

すぐにあの娘の下着と服を用意しなさい…イールスの側にいるなら、それ相応の教育と服装は必要ですわ

メサリアが笑みを浮かべて言うと、侍女が嫌な予感に頭を下げている

ふふふ、イールスを蔑ろに出来ないように徹底的に教育しますわ………ふふふ

イールスは、リシリアを見て考え込んでいる

リシリア、可愛いけど…痩せすぎだと思うけど…どんな生活をしてきたのかな？
公爵の考えは…理解できても、どうして自分に押し付けようと…完全に仕返しの様に見えているけど…冒険者になる邪魔だな…

イールスが考えている姿をヘルクドールとアーセリオドールが見て頭を押さえている

メサリアになんて報告を…騒がれたらまずいのだから…イールスなんとか言いくるめてくれ

公爵に呼ばれて、一人の少女が部屋に入ってくる

お祖父様御用でしょうか？
リシリア…体調は大丈夫か？… 肩身狭い思いをさせてすまなかった…

公爵はリシリアの顔色を見ながら、険しい顔をしている。そして手紙をリシリアに差し出している

リシリア、隷属を使う他に生かせてやれなくなったが、相手はきっと今よりも良い生活を出来るように手配する… 幸せになれるように仕えるように…リシリア助け出せなくて申し訳ない

お祖父様… どうしてそんなに… お祖父様に従います。

リシリアも公爵の険しく、悔しそうな顔をしているのを見て考えながら頭を下げている

その手紙は、リシリアが思っている待遇と違うと思った時に、相手に渡すように、きっと小僧なら理解するだろう… 小僧に気に入られれば、最後まで一緒に居てくれるだろう… リシリア手助け出来なくて、悪かった…

公爵はリシリアに近付き、抱き締めながら涙を浮かべている。リシリアはどうして良いか解らず、涙目になっている

公爵家屋敷では、跡継ぎ夫妻が呼び出される

御父様本日は何用ですか？結構忙しいのですが…

何用か…この件だ！ 既に調査済みだ
公爵が笑顔で見ている息子夫妻の前に資料投げている

この事ですか？ 公爵家として派閥を堅固にする為に役に立ちました。何処からかのクレームですか？ 私が対処します
笑みを浮かべながら公爵を見ている

愚か過ぎる…この件で公爵家の派閥が崩壊しているのも解らないのか！！ 愚か者！！ レイガルシアの暗殺の件も許される事ではない！！ 不正の数々公爵家の取り潰しもあり得る状況だ！！ 解っているのかーーーアルゼデンスの育て方も…暗殺から暗殺失敗まで既に明るみに出ている！ 処断する他に無い状況だ！！

公爵が怒りに怒鳴り続けている

この程度握りつぶせますが………
握り潰すか…不可能だ！！ この愚か者を牢屋に幽閉せよ
公爵が大声で怒鳴ると、騎士が部屋に入って来て、息子夫妻を取り押さえている

何を！！ 御父様！！ 何故だ！！………
息子が大声で叫び暴れている

もう終わりだ…お前を信じた愚かさも…公爵家は地に落ちたのだ…
公爵が涙目に座り込んでいる。息子夫妻は騎士に抱えられて喚き暴れながら、地下牢に引きずられていく

公爵家だぞーーーーー何でも揉み消せば良いだろーーーーーーーーー