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16.5【別視点】使命
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「なるほど、……五つの星が降る時と。そう、彼の者は言ったのですね?」
「ええ。あの方が目覚めたということは、他の神々も……。そして、魔神も目覚めたということ」
「やはり、ハヤトさんが引き金でしょうか?」
「そうとしか考えられないわ。何がきっかけでこちらの世界へ転生したのかは分からないけれど……。間違いなく、元居た世界での、彼の魂の器だったと思うわ」
「ーーふむ。ルル、貴女は急ぎナハト=レイの様子を見に行ってくれませんか?」
「そのつもりよ。あなた、ここから動けないんでしょ?」
「ええ。盟約に従い、グランアルバ側から蒼炎の森を注視しておきます」
「頼んだわよ。……本来なら私も、ハヤト様のおそばに……居たいのだけれど」
「おや、ずいぶん入れ込んでますね。……ヒトはどうでも良いんじゃなかったんです?」
「それ、あなたが言う?」
「さあ。私はヒトに対してさほど入れ込んでませんよ。全ては、我らが王と、我が王のため」
「ふーーーーん?」
「一応……、あの方も傍に着いているので、問題はないと思いますが。……アルバ・ダスクの周期だけは、警戒しないとですね」
「……そうね。元々、大地に満ちたそれを、ヒトが自ら浄化することによって、均衡を保っていた。でも今回は違う。本体とも言える、そのものが……、来る」
「ーーそもそも、水の女神の森になぜファーレイが居たのでしょう?」
「黒炎を断つ、と言っていた……。つまり、オールドワイバーンをはじめとした魔物は……」
「それはまだ、話が分かります。ですが、メイルレイが居るでしょう?」
「まだ目覚めていない、……とか?」
「なるほど、有り得ますね。……でしたら、相の聖団にもお話をうかがわないと」
「そうね。『水神の巫女』が居るんだっけ?」
「みたいですね。あまり、お見かけしたことはありませんが」
「ふーーん」
「興味ないんですか?」
「クラスとしてはあるけど……。最近の聖団は、王家にあんまり良い印象持たれてないっぽいからねぇ。余計な首突っ込みたくないってのが正直なところ。何かあった時、身動きとれないのイヤだわ」
「気持ちは分かります。……ですが、直近の戦果によってヒトはアルバ・ダスクを軽く見ている気がします。私たちの使命は、何か……分かっているでしょう?」
「分かってるわよ! んもう、なーーんでヒトってああなのかしら!」
「彼らのことは、分かるようで……分からないですからね」
「はーー、我らが王のためで無ければ、だーーれが冒険者なんかやるもんですか!」
「ハヤトさんと居る時は、楽しそうですけどね」
「そ、それは! ……違う、とは。……言えない、けど……」
「ふふ」
「っなによ!」
「何でもありません、ーーさあ。仕事ですよ」
「あーーはいはい、行ってくるわよ!」
「お気を付けて」
「あんたも、ね!」
「ええ。あの方が目覚めたということは、他の神々も……。そして、魔神も目覚めたということ」
「やはり、ハヤトさんが引き金でしょうか?」
「そうとしか考えられないわ。何がきっかけでこちらの世界へ転生したのかは分からないけれど……。間違いなく、元居た世界での、彼の魂の器だったと思うわ」
「ーーふむ。ルル、貴女は急ぎナハト=レイの様子を見に行ってくれませんか?」
「そのつもりよ。あなた、ここから動けないんでしょ?」
「ええ。盟約に従い、グランアルバ側から蒼炎の森を注視しておきます」
「頼んだわよ。……本来なら私も、ハヤト様のおそばに……居たいのだけれど」
「おや、ずいぶん入れ込んでますね。……ヒトはどうでも良いんじゃなかったんです?」
「それ、あなたが言う?」
「さあ。私はヒトに対してさほど入れ込んでませんよ。全ては、我らが王と、我が王のため」
「ふーーーーん?」
「一応……、あの方も傍に着いているので、問題はないと思いますが。……アルバ・ダスクの周期だけは、警戒しないとですね」
「……そうね。元々、大地に満ちたそれを、ヒトが自ら浄化することによって、均衡を保っていた。でも今回は違う。本体とも言える、そのものが……、来る」
「ーーそもそも、水の女神の森になぜファーレイが居たのでしょう?」
「黒炎を断つ、と言っていた……。つまり、オールドワイバーンをはじめとした魔物は……」
「それはまだ、話が分かります。ですが、メイルレイが居るでしょう?」
「まだ目覚めていない、……とか?」
「なるほど、有り得ますね。……でしたら、相の聖団にもお話をうかがわないと」
「そうね。『水神の巫女』が居るんだっけ?」
「みたいですね。あまり、お見かけしたことはありませんが」
「ふーーん」
「興味ないんですか?」
「クラスとしてはあるけど……。最近の聖団は、王家にあんまり良い印象持たれてないっぽいからねぇ。余計な首突っ込みたくないってのが正直なところ。何かあった時、身動きとれないのイヤだわ」
「気持ちは分かります。……ですが、直近の戦果によってヒトはアルバ・ダスクを軽く見ている気がします。私たちの使命は、何か……分かっているでしょう?」
「分かってるわよ! んもう、なーーんでヒトってああなのかしら!」
「彼らのことは、分かるようで……分からないですからね」
「はーー、我らが王のためで無ければ、だーーれが冒険者なんかやるもんですか!」
「ハヤトさんと居る時は、楽しそうですけどね」
「そ、それは! ……違う、とは。……言えない、けど……」
「ふふ」
「っなによ!」
「何でもありません、ーーさあ。仕事ですよ」
「あーーはいはい、行ってくるわよ!」
「お気を付けて」
「あんたも、ね!」
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