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悪意の後に
「エバーナ」
侍女とメイドの事は護衛達に一旦任せ、ふらつくエバーナの体を支えながら離れに戻ってきた。
部屋に入り、ソファーに座らせようとしたものの、エバーナは首を横に振った後、頭を下げた。
「ご迷惑をお掛けして、申し、申し訳ございません」
エバーナの声が震えている。
顔色も悪いままだし、握った指先は氷の様に冷たくなっている。
当り前だ、あんな物が自分の食事として出されていたかもしれないのだ。
もし魔法が発動していなけば、あれをエバーナはどうしただろう。
「エバーナは何も悪くない。謝る必要などないよ」
「いいえ。私はこの家の、ゴレロフ侯爵家の人間です。私が行なった事ではなくても、ゴレロフ家の失態です。関係がないとは申せません。謝ってすむ事ではありませんが、本当に申し訳ございません」
声は震えたままだけれど、エバーナはそう言いながら自分を支える俺の腕から逃れようとした素振りを見せながら、最後は諦めて頭を下げるだけにした。
俺が体を支えているから、あの庭での様に手をついて謝ろうとしても出来なかったのだろう。
リリーナ先生がいる前であんな謝り方を、罪人でもなんでもないエバーナにさせるわけにはいかない。
「分った謝罪は受けるよ。気にするなと言う方が難しいとは思うけれど、もう謝らないで」
エバーナを支える腕に力を込めて、彼女の冷たい指先を握っていた手にも力を込める。
「婚約破棄されても仕方の無い事をしたのです。どうぞそんな優しいお言葉など仰らないで下さい」
「婚約破棄? どうしてそうなるの」
「殿下がいらっしゃる食事の席に、わざと異物を入れた物を出してしまったのです。殿下へのものではありませんが、それでもこの家に仕える者が行なったのです。そんな罪を犯した者がいる家の娘との婚約など」
自分は悪くない。被害者だと騒ぎ立ててもいいのに。
家の使用人の罪だからと、その罪は雇っている家の責任だとそう言うのか。
さっき頭に浮かんだ、もし魔法が発動しなければ、エバーナはどうしただろうという疑問の答えは聞かなくても分る。
俺がいる席で、異物をわざと入れただろう。知っていて運んだのだろうとエバーナはあの場で騒ぐ筈がない。
無理をして飲み込んで、何も無かった様に振る舞う筈だ。
使用人がエバーナを狙って行なった蛮行だと理解していても、俺にそれを気付かせない様に平気な振りをして。家を守るために。
多分あのメイドはエバーナがそう考えるだろうと予測して、蛾をスープに入れたのだ。
肉料理などの裏に潜ませるのではなく、すぐにそれと分る濁りのないスープに、わざと入れたと分る様に入れたのだ。
家の為とエバーナがあれを飲み込む姿を想像しながら、ただ彼女に嫌がらせをしようとしたのだ。
「婚約破棄などしない。それともエバーナが婚約破棄したいのかな。あんな物を君に見せてしまった不甲斐ない私に呆れちゃった?」
「そんな、不甲斐ないなんて。殿下が守って下さったと知っています。あの時、殿下の魔力を感じたのです。殿下は、守って下さいました」
あれ、魔法発動の時に感じるものなのか?
他人の魔力が入った魔石がついた魔道具なんて身に付けた事がないから分らないな。
「じゃあ、私に呆れていないなら婚約者のままでいてくれる?」
「私でいいのですか。失態ばかり繰り返す者がいる家の娘など、殿下にとって害にしかなりません」
「あれを失態と言ってすませられはしないけれど。それとこれとは話が別だから。エバーナが嫌だと言わない限り、私はエバーナの婚約者でいたいし、成人したら夫になるつもりだよ」
「私が嫌だと言わない限り」
「そう。だから私を嫌いにならないでね。よしこの話はおしまい。エバーナ着替えておいで少しドレスが汚れてしまっていた様だ」
リリーナ先生が何か言いたそうな顔で立っている事に気がついて、エバーナの近くに控えていた侍女に視線をやると彼女はそっとこちらに近付いてきた。
浄化の魔法でドレスの汚れなどすぐに消せるけれど、惨事を思い出すドレスをいつまでも着ていない方がいい。
「エバーナ様」
「殿下、着替えて参ります」
あーあ、また殿下の呼び方に戻ってしまった。
ちょっとがっかりしながら、リリーナ先生と向かい合わせにソファーに座る。
「殿下どうされるおつもりですか」
「どうというのは。あの馬鹿達の事?」
それは俺が口を出せる話じゃ無い。
今頃は従者から陛下達に話がいっている事だろうし、ゴレロフ侯爵も流石に戻ってくるだろう。
「そちらは陛下のお気持ちひとつです。殿下へのものではなく、エバーナを狙って起きた事は明白。ゴレロフ侯爵の派閥の件とダミュエラの実家の力を考えたら、これだけでは大きな罪には問えません。せいぜい最北の修道院へ送る程度でしょう」
「最北の修道院とは、あの極寒と戒律の厳しさで有名なあそこですか」
「ええ。メイドはともかく殿下に失礼な物言いをしたあのティタという侍女は、ダミュエラの母親の乳兄弟ですから、これを好機として二度とエバーナに悪さが出来ない様引き離すべきです。そうしなければ、災いの種を残すことになります」
「災い」
「それよりもエバーナです。あの子が殿下に盲目的に依存している様なら私は介入するつもりもありませんでしたが、あの子は幼いなりに自分の立場をわきまえている様です。そんなあの子をこのままこの家に置いておくおつもりですか」
今の状況で、エバーナを宮殿に部屋を与えて住まわせるなんて事は、さすがに許可がおりない気がするんだけれど。
「信頼できる侍女をつけるつもりでした。今エバーナについている侍女と乳母は、食事の時には入室さえ許可されていない。なら侯爵家の者が指図出来ない者をエバーナの傍におくしかない」
宮殿に住まわせるのがベストなのかどうなのか、今まで社交の場に出たことがなかったエバーナを婚約者にしただけで大騒ぎだというのに、公にする前に宮殿に住まわせる。そんな前例がない事をして他の貴族からの反発が出ないか、王家にそれが向くならいいけれどそれがエバーナに向いたら困る。
でも、このまま侯爵家にいさせるのも不安でしかないから、守る者が必要になる。
影からじゃなく、エバーナの傍に。
「エバーナに何かあってからでは遅いのですよ」
「ならどうしろと」
「私が屋敷に連れ帰ります」
「リリーナ先生の屋敷に?」
「こんな虐げられた暮らしをしているだけでも許せないというのに、あんな屈辱まで。あの子の気持ちを考え乳母をつけていただけで、我慢していましたが。それももう限界です。ゴレロフ侯爵にエバーナを任せてなどいられません」
ちょっと待て、今聞き捨てならない話が無かったか?
乳母をつけたって、エバーナの乳母はリリーナ先生が守りの為に潜ませた人間なのか。
侍女とメイドの事は護衛達に一旦任せ、ふらつくエバーナの体を支えながら離れに戻ってきた。
部屋に入り、ソファーに座らせようとしたものの、エバーナは首を横に振った後、頭を下げた。
「ご迷惑をお掛けして、申し、申し訳ございません」
エバーナの声が震えている。
顔色も悪いままだし、握った指先は氷の様に冷たくなっている。
当り前だ、あんな物が自分の食事として出されていたかもしれないのだ。
もし魔法が発動していなけば、あれをエバーナはどうしただろう。
「エバーナは何も悪くない。謝る必要などないよ」
「いいえ。私はこの家の、ゴレロフ侯爵家の人間です。私が行なった事ではなくても、ゴレロフ家の失態です。関係がないとは申せません。謝ってすむ事ではありませんが、本当に申し訳ございません」
声は震えたままだけれど、エバーナはそう言いながら自分を支える俺の腕から逃れようとした素振りを見せながら、最後は諦めて頭を下げるだけにした。
俺が体を支えているから、あの庭での様に手をついて謝ろうとしても出来なかったのだろう。
リリーナ先生がいる前であんな謝り方を、罪人でもなんでもないエバーナにさせるわけにはいかない。
「分った謝罪は受けるよ。気にするなと言う方が難しいとは思うけれど、もう謝らないで」
エバーナを支える腕に力を込めて、彼女の冷たい指先を握っていた手にも力を込める。
「婚約破棄されても仕方の無い事をしたのです。どうぞそんな優しいお言葉など仰らないで下さい」
「婚約破棄? どうしてそうなるの」
「殿下がいらっしゃる食事の席に、わざと異物を入れた物を出してしまったのです。殿下へのものではありませんが、それでもこの家に仕える者が行なったのです。そんな罪を犯した者がいる家の娘との婚約など」
自分は悪くない。被害者だと騒ぎ立ててもいいのに。
家の使用人の罪だからと、その罪は雇っている家の責任だとそう言うのか。
さっき頭に浮かんだ、もし魔法が発動しなければ、エバーナはどうしただろうという疑問の答えは聞かなくても分る。
俺がいる席で、異物をわざと入れただろう。知っていて運んだのだろうとエバーナはあの場で騒ぐ筈がない。
無理をして飲み込んで、何も無かった様に振る舞う筈だ。
使用人がエバーナを狙って行なった蛮行だと理解していても、俺にそれを気付かせない様に平気な振りをして。家を守るために。
多分あのメイドはエバーナがそう考えるだろうと予測して、蛾をスープに入れたのだ。
肉料理などの裏に潜ませるのではなく、すぐにそれと分る濁りのないスープに、わざと入れたと分る様に入れたのだ。
家の為とエバーナがあれを飲み込む姿を想像しながら、ただ彼女に嫌がらせをしようとしたのだ。
「婚約破棄などしない。それともエバーナが婚約破棄したいのかな。あんな物を君に見せてしまった不甲斐ない私に呆れちゃった?」
「そんな、不甲斐ないなんて。殿下が守って下さったと知っています。あの時、殿下の魔力を感じたのです。殿下は、守って下さいました」
あれ、魔法発動の時に感じるものなのか?
他人の魔力が入った魔石がついた魔道具なんて身に付けた事がないから分らないな。
「じゃあ、私に呆れていないなら婚約者のままでいてくれる?」
「私でいいのですか。失態ばかり繰り返す者がいる家の娘など、殿下にとって害にしかなりません」
「あれを失態と言ってすませられはしないけれど。それとこれとは話が別だから。エバーナが嫌だと言わない限り、私はエバーナの婚約者でいたいし、成人したら夫になるつもりだよ」
「私が嫌だと言わない限り」
「そう。だから私を嫌いにならないでね。よしこの話はおしまい。エバーナ着替えておいで少しドレスが汚れてしまっていた様だ」
リリーナ先生が何か言いたそうな顔で立っている事に気がついて、エバーナの近くに控えていた侍女に視線をやると彼女はそっとこちらに近付いてきた。
浄化の魔法でドレスの汚れなどすぐに消せるけれど、惨事を思い出すドレスをいつまでも着ていない方がいい。
「エバーナ様」
「殿下、着替えて参ります」
あーあ、また殿下の呼び方に戻ってしまった。
ちょっとがっかりしながら、リリーナ先生と向かい合わせにソファーに座る。
「殿下どうされるおつもりですか」
「どうというのは。あの馬鹿達の事?」
それは俺が口を出せる話じゃ無い。
今頃は従者から陛下達に話がいっている事だろうし、ゴレロフ侯爵も流石に戻ってくるだろう。
「そちらは陛下のお気持ちひとつです。殿下へのものではなく、エバーナを狙って起きた事は明白。ゴレロフ侯爵の派閥の件とダミュエラの実家の力を考えたら、これだけでは大きな罪には問えません。せいぜい最北の修道院へ送る程度でしょう」
「最北の修道院とは、あの極寒と戒律の厳しさで有名なあそこですか」
「ええ。メイドはともかく殿下に失礼な物言いをしたあのティタという侍女は、ダミュエラの母親の乳兄弟ですから、これを好機として二度とエバーナに悪さが出来ない様引き離すべきです。そうしなければ、災いの種を残すことになります」
「災い」
「それよりもエバーナです。あの子が殿下に盲目的に依存している様なら私は介入するつもりもありませんでしたが、あの子は幼いなりに自分の立場をわきまえている様です。そんなあの子をこのままこの家に置いておくおつもりですか」
今の状況で、エバーナを宮殿に部屋を与えて住まわせるなんて事は、さすがに許可がおりない気がするんだけれど。
「信頼できる侍女をつけるつもりでした。今エバーナについている侍女と乳母は、食事の時には入室さえ許可されていない。なら侯爵家の者が指図出来ない者をエバーナの傍におくしかない」
宮殿に住まわせるのがベストなのかどうなのか、今まで社交の場に出たことがなかったエバーナを婚約者にしただけで大騒ぎだというのに、公にする前に宮殿に住まわせる。そんな前例がない事をして他の貴族からの反発が出ないか、王家にそれが向くならいいけれどそれがエバーナに向いたら困る。
でも、このまま侯爵家にいさせるのも不安でしかないから、守る者が必要になる。
影からじゃなく、エバーナの傍に。
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