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第二十一話 成れの果て

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 あの後、薬中らしき者達は退学処分になり、奇妙な薬物を打ち込んでいた場所は立ち入り禁止になる。

 調査の為に学校も2日間休みになったのだ。

 母さんとは恐ろしいねと話していたが、ラナは私が何かをしたと察している。

 多分、あの轟音で気が付いたのだろう。

 木曜日が休みになったので、思いがけない4連休になったのだ。

 そして、今日は金曜日だ。

 朝食を食べ終えた後、ラナが朝から驚くことを聞くことになる。

 「あ、樹とお義母さん。今日、楓と遊んでくるね」

 私と母さんは思わず固まってしまう。

 そ、そこまで仲良くなったのか。

 まぁ、いいか。

 ラナが誰と仲良くなっても。

 危険さえ無ければ。

 さて、暇になったぞ。

 母さんは仕事にラナは楓と遊びに行ったしまっい、家には1人だけになってしまう。

 街をウロウロするか?

 またウロウロしていたら厄介ごとに巻き込まれるかもしれないが大丈夫だろう。

 現代日本がそんなファンタジーの訳が無いからな。

 そんなことを思っていた私を今の私は殴りたい。

 私の目の前には人間では有り得ない程の筋肉を持っている化け物が立っているのだから。

 そして、その化け物は人語ではないことを何かを繰り返している。

 何でこんなことになったんだ?

 街をウロウロしていると路地に入ってしまい、寂れた広い路地に出てしまう。

 帰ろとするといきなり上から何かが私の前を立ち塞がるように砂煙を上げて降り立ったのだ。

 砂煙が晴れると有り得ない人、いや、化け物が立っている。

 私は一瞬で距離を取る。

 あの化け物は私に敵意、いや、殺意を持っている。

 その証拠に私を見る目は血走っていて、両手を握りしめていたのだ。

 いつでも私を殴れように準備しているのだ。

 私はいつでも化け物が動き出してもいいようによく観察していたが、そこで1つのことに気が付く。

 この化け物。

 人の顔を残している。

 そして、あの顔何処かで。

 あ。

 まさか、純血ではないサキュバスから魅了魔法の力を受け取り、私から離れた者達を奪ったイケメンの男かよ。

 こんなことになっているのか。

 まぁ、同情の余地は無いが。

 どんな理由かは分からないが、この現代日本でファンタジーな力を相手の意思関係なく使ったからな。

 そこで気が付いた。

 相変わらず言語は分からないが、何かを言っているかは大体分かると。

 それは自己中の恨みだった。

 俺様は悪くないとか女達が悪いとか。

 どうやら本当にクズ野郎みたいだ。

 なら、慈悲はいらない。

 正拳突きの構えをとり、そのまま放った。
 
 クズ野郎は何も残さず消えた。

 悲鳴も死体も髪の毛1本すらも残さずに。

 今思いついたが、あのクズ野郎は中学2年の夏休み前までパッとしない生徒だったはず。

 そして、夏休みが明けたらイケメンになっていたのだ。

 整形でもしていたのか?

 まぁ、どうでもいいか。

 もう意味が無いからな。

 それにしてもあのクズ野郎は行方不明になっていたはずだ。

 まさか、化け物みたいになっているとわ。

 はっきり言って、この成れの果てはお似合いだと思ってしまう。

 今までやってきたことを考えればな。

 弔うこともせず、私はこの場を後にする。
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