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第9話

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 私はレインと一緒にラーグ国に行きたいけど、気になっていることもある。
 この場で聞いておこうと、私はレインに尋ねた。

「レインはずっと、バディア国で活動していましたけど……私と一緒にラーグ国へ行って、大丈夫なのですか?」

 冒険者の活動は自由で、様々な国を巡る人もいると聞いたことがある。
 レインはバディア国で活動している冒険者だから、この国に留まる理由がありそうだ。
 私を優先して大丈夫なのか尋ねると、レインが顔を少し赤くする。

「ああ、問題ない……バディア国に滞在していた理由は、もうないからな」

「そうなんですか?」

「むしろリーゼの話を聞いて、バディア国が嫌になっている。依頼を受けて、この国のために動きたいとは思えない」

 ダーロス王子の言動について話したことで、レインはバディア国が嫌になっているようだ。
 それならラーグ国に行っても大丈夫そうで、私は笑顔で話す。

「レインが一緒にいてくれて嬉しいです。これからもよろしくお願いします」

「わ、わかった……俺がいるから、リーゼは何も心配しなくていい」

 レインは今までもそう言って、私の力になってくれた。
 心配しなくていいと言われて――これから私は大丈夫だと、確信することができていた。
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