潮目
十年ぶりに帰った港町で,深雪は幼馴染の汐里と再会する。
変わらない潮の匂い。変わってしまった距離。
東京へ帰る日を,どちらも言い出せないまま,二人は同じ夜を何度も繰り返す──防波堤で,台所で,雨に濡れた肌の上で。
愛か,執着か,習慣か。名前のない関係に,答えは出ないまま。
進むことも,立ち止まることも,同じだけ尊い。
停滞を裁かない,大人のための静かな百合小説。
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