魔法裁判
魔法使いが国に管理され、産業を支える資源として扱われる日本。魔法裁判では「疑わしきは罰する」が原則で、有罪率は九割を超える。
町の指定魔法使い・夕原奏は、温室で農場主が熱中症死した事件の犯人として起訴された。魔法の痕跡は残らない。だからこそ、無実を示すには「真犯人」と「魔法を使わない殺害方法」を自ら証明しなければならない。死刑判決を受け、最高裁まで残り一週間。
奏が頼ったのは、九十連勝の後に十連敗して姿を消した伝説の雪冤士・橘だった。長野の雪深い山荘で、彼女は四十八万円を叩きつけて名乗る。「九十一番目の依頼者です」と。
その一言が、橘の止まっていた時間を動かし始める。
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