婚約破棄された悪役令嬢ですが、すべて計算通りです

 王城の大広間に、華やかな音楽が満ちていた。
 天井から吊るされた無数のシャンデリアが黄金の光を降らせ、磨き上げられた大理石の床には、色とりどりのドレスが揺れている。王太子殿下の生誕を祝う夜会。貴族たちが集い、笑い声と囁きが重なり合う、絢爛たる社交の場だった。

 その中心で。
 私は、静かにワイングラスを傾けていた。

「……相変わらず、堂々としているな」

 背後から低い声がかかる。
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