エレノア大陸物語 ―水冠の王女―
水都ミスティクス。天空に浮かぶ巨大な水球《アクア・コロナ》の下、白亜の宮殿と幾筋もの運河が広がるフォローレシア王国。
その王位継承者である十七歳の王太女レイチェルには、困った癖があった。
隙を見ては王宮を抜け出し、市場を歩き、港へ向かうこと。
そんな彼女を追いかけるのは、青い髪の近衛騎士クラリス・ウェルフォード。剣と水魔法に秀でた王国屈指の騎士も、自由奔放な主君にはいつも振り回されていた。
ある日、港で出会った一人の老船長と、その小さな商船。
王女の尽きない好奇心が、思いがけない旅の始まりとなる。
王宮の窓からは見えなかった人々の暮らし。海を渡る商人たちの仕事。そして、国境の向こうで動き始める大国の思惑。
小さな冒険のはずだった旅は、やがてレイチェルとクラリスに、自分たちの知らなかった世界と、選択の重さを突きつけていく。
剣と魔法、蒸気機関と魔導技術が共存するエレノア大陸を舞台に描く、王女の成長と、国家を越えて生きる人々の物語。
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