フィックスド辺境伯家の秘密(元夫の隠し子は、私が立派に育ててみせます‼︎)

星 佑紀

文字の大きさ
5 / 48
代表作:元夫の隠し子は、私が立派に育ててみせます‼︎(修正前)

0004:二年の月日が経ちました。」(一旦完)

しおりを挟む
、ぼくちんとあしょぶでちゅ!」

「ふふふ、何して遊ぶの?(にこやかオリビア)」

「ニンジャごっこでちゅ!」

「うーん、でも、が起きてしまうかも。」

「大丈夫でしゅ! でありしゅの周りをはちりまわるのでちゅよ!」

「……そうねえ。(何故わざわざアリスの周りを⁉︎)」


 皆様お久しぶりです。職場の同僚ノア様と結婚して約二年が経ちましたオリビアと、元旦那様の忘形見のアルトです。(おひさちぶりでしゅね‼︎)……この二年間は色々ありました。ノア様と結婚してからすぐに、アルトのイヤイヤ期が始まり、育児に悩みました。そして些細なことでノア様と衝突したり、仕事も上手くいかなくなったり……順風満帆な結婚生活かと問われますと、自信を持って、はいとは言えませんが、みんなでたくさん話し合ったり、一緒に笑ったり、泣いたり、喧嘩したりと、熱量のある暮らしだなと感じております。ただ一つだけ言えることは、私一人だけだったら、絶対に、途中で挫けていました。私の人生には、アルトとノア様が必要不可欠だったのです。色々な偶然が重なって家族になってくれた二人には、ほんとに感謝しかありません。生きている間に、この恩を二人に返していければいいですね。

 そして約一年前、私とノア様との子であるが誕生しました! 初産だったのでとても不安でしたが、アルトとノア様が一緒に見守ってくれたおかげで、母子ともに健康な状態で出産できました。ちなみに産気づいたとき、私よりもノア様が死にそうな顔をしているのを見て、不思議と冷静な気持ちになれたのは、自分だけの秘密です。

 ……ここだけの話、アリスが生まれて、アルトが嫌な気持ちにならないか不安だったのですが、アルトは何故だか、にこにこ笑ってアリスと遊んだり、一緒に寝たりしてくれています。赤ちゃん返りとかしないのかなと思っていましたが、そういうこともなく、私の手が塞がっていると、アルトは可愛いメイドさんに自ら甘えに行って可愛がってもらっている場面をよく目撃していますね。……時々アルトを見ていると、元旦那様のことを思い出してしまう自分がいるのが、なんだか複雑です。(遠い目)

 そして最近、アルトが私のことを『はは』と呼んでくれています! シンプルに嬉しい。アルトにとって、本当の母親はメアリーですが、育ての親として認めてくれたのかなって、喜びをひしひしと噛み締める毎日です。どんなことがあろうとも、私にはアルトを立派に育てる責任がありますからね。これからもアルトには、ときに優しく、ときに厳しく、育ての親として接していこうと思っています‼︎


「はは、……なんかちちが、うしろで、ないてまちゅが、どうちたのでしゅか?(きょとん)」

「えっ?(の、ノア様⁉︎)」


 アルトの言う通り、後ろを振り返ってみれば、ノア様が扉前で大泣きしていらっしゃいました。何かあったのかしら?


「の、ノア様、おかえりなさい。……一体、どうなされたのですか?(ノアに駆け寄って、涙を拭うオリビア)」

「グズ、グズ、ヒック、……オリビアさん、俺、一ヶ月間、野営地で待機を命じられました。(オリビアに抱き付く)」

「あらあら、大変ですね。(困り眉)」

「アルトとアリスのお世話もしたいのに、殿下が、『三秒間マリア様を見つめた罰で、一ヶ月間帰省禁止な。(ブラック魔王殿下)』って、よくわからない言い掛かりをつけてきたんです! 俺は、子ども達とオリビアさんのそばに、ずっといたいのに、ふえーーん‼︎(号泣)」

「…………わ、私たちは大丈夫ですから、野営地へ戻られてくださいな。(若干ドン引きオリビア)」

「嫌です! ……オリビアさんは、俺が居なくてもいいんですか‼︎(プンスカノア)」

「そ、そうではなくてですね……。(大汗)」

「じゃあどういうことなんですか!」

「えっと、……一生懸命お仕事を頑張ってるノア様のひたむきさが大好きだからですわ。(赤面)」

「えっ……!(顔茹で蛸)」

「……一ヶ月会えないのは勿論寂しいですが、ノア様がお仕事で重要な役割をしている事は、充分理解しています。……殿下も深い思惑があるかもしれませんし、……ねっ?」

「……オリビアさん、愛してます!(ギュウギュウハグ)」

「の、のあ、さま⁉︎(く、くるちいですわ⁉︎)」

「俺が間違ってました! 明日の朝、野営地に戻ります‼︎(オリビアさんは、俺だけの女神だ!)」

「そそそそそうですね。私も一緒に準備しますから……。」

「ーーいや、今すぐ戻った方がいいぞ。」

「「ーーーーサネユキ様⁉︎」」


 ノア様に気を取られていたので、サネユキ様の存在に全然気がつきませんでしたわ! ちなみに、サネユキ様の後ろには、可愛らしいがちまっといらっしゃいます。


「先輩駄目じゃないですかー。パトリック殿下、今、物凄く怒ってるみたいですよー。(先輩の奥様めちゃ可愛い!)」

「二人とも、任務に向かったんじゃ?(頭真っ白ノア)」

「行こうとしてたんだがな、……パトリックのがやってきて、ノアを強制的に連れ出してこいって、命じられたから致し方なく来たのだ。(生真面目隊長)」

「先輩、早く戻った方がいいですよー。」

「ジョナサン、……悪いが俺には、家族を喜ばせるという、大事なミッションがあるんだ‼︎(アツい先輩ノア)」

「ほへーー。(きょとんジョナサン)」

「まあ、ジョナサンにはまだわからないかもしれないがな。(酔いしれている先輩ノア)」

「そう言えば、パトリックが『家族総出で来てもいい。』って言ってたぞ。(やっぱり生真面目隊長)」

「えっ、ほんとですか、隊長‼︎」

「ああ。それとオリビア殿に、『オリビアちゃんがはじめてデザインした着ぐるみを、やっと着てくれる人が現れたから、是非見に来て欲しい♡』って言ってたな。」

「ほほほほ本当ですか、サネユキ様⁉︎」

「あ、ああ。それがどうかしたのか?(きょとん)」


 実は私が初めてデザイン、設計した着ぐるみさんは、『僕にとって一番大切な人に贈るんだ♡(赤面殿下)』って、殿下から言われており、ずっと寝かされていた秘蔵の着ぐるみなのです! あの冷徹非道なパトリック殿下が慕っていらっしゃるお方を見ないなんて、損ですわ!


「ノアさん、今すぐ行きましょう!」

「ええええ⁉︎(オリビアさんが何故か乗り気だ‼︎)」

「勿論、アルトとアリスも一緒にです!」

「…………わかりました。隊長、今からで野営地へ向かいます!(キリッと)」

「お、おう、気をつけてな。(若干ドン引き)」

「隊長とジョナサンもお気をつけて‼︎」

「先輩ファイトですー!」

「ああ‼︎ ……オリビアさん、行きましょう‼︎」

「はい、ノア様‼︎」


『スピカ』の野営地に向かうために、私たち家族は急いで準備を整えるのでした。(ウキウキわくわくですわ!)


「ほへー、よくわかりまちぇんけど、たのちければ、なんでもオッケーなのでちゅ!」


 ーーフィックスド家、『スピカ』野営地へと向かう‼︎ーー
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

私、魔王軍の四天王(紅一点)なんですが、敵であるはずの勇者が会うたびに口説いてきます

夏見ナイ
恋愛
魔王軍四天王「煉獄の魔女」リディア。魔王様に絶対の忠誠を誓い、最強の魔女として人間から恐れられていた私の日常は、一人の男によって打ち砕かれた。 人類の希望、勇者アルフレッド。戦場で相まみえるたび、彼は聖剣ではなく熱烈な愛の言葉を向けてくる。 「君は美しい。僕と結婚してほしい!」 最初は敵の策略だと警戒していたのに、彼の真っ直ぐすぎる求愛に、鉄壁だったはずの私の心が揺らぎっぱなし! 最強魔女の私が、敵の勇者にドキドキさせられるなんて……ありえない! これは、敵同士という運命に抗う二人が紡ぐ、甘くて少し切ない異世界ラブストーリー。

冷徹文官様の独占欲が強すぎて、私は今日も慣れずに翻弄される

川原にゃこ
恋愛
「いいか、シュエット。慣れとは恐ろしいものだ」 机に向かったまま、エドガー様が苦虫を噛み潰したような渋い顔をして私に言った。

身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される

絵麻
恋愛
 桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。  父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。  理由は多額の結納金を手に入れるため。  相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。  放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。  地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。  

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

処理中です...