フィックスド辺境伯家の秘密(元夫の隠し子は、私が立派に育ててみせます‼︎)

星 佑紀

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とある暴走族のリーダー、就職する‼︎

0013:悪星教の目的

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 ──ここは、フィックスド辺境伯領と、フローレンス辺境伯領との境界沿いに位置する、一番利用されている山口。

「おじちゃん、……神様をコロスということが、どういう意味なのか知っているの?(ジト目ブラック殿下)」

「……正直、俺には、よくわからん! だがな、悪星教では、のせいで、俺たちの生活が困窮していると謳われている‼︎(内情を知らない中年男性)」

「………………はあ⁉︎(不機嫌殿下)」

「この世における全ての困難は、神々が巻き起こしているのだ‼︎ だから、神を抹殺しなければならない! そして、神々を殺したあかつきには、悪星教の教祖様である『メシア』様が、天より降り立ち、生きとし生けるものに、愛の祝福を授けてくださるのだ‼︎(目がイってる中年男性)」

「…………良い歳して、厨二病みたいなことを言ってるんじゃないよ‼︎(なかなか激しくお怒りな殿下)」

「ふん! お前達、愚民共にはわからないだろう! メシア様の慈悲深いお心を‼︎ いずれにせよ、お前達は、愛の審判に裁かれて、地獄に落ちるのだ‼︎ ガハハハハハハハハハハ‼︎(気が狂っている中年男性)」

「……言いたいことは、それだけなのかな?」

「ああ、そうだ‼︎ メシア様のお心に、間違いは無い‼︎」

「……そう。……ならば、僕達は、……本気で、おじちゃんが信奉しているメシア様を叩き潰さないといけないね。(大真面目殿下)」

「けっ‼︎ お前らに何ができる⁉︎ ただの小童こわっぱが大きい口を叩いてんじゃねえよ‼︎(殿下達を馬鹿にする中年男性)」

「……そう思いたければ、思えばいい。……君達から、笑われ、そしられようが僕の心は変わらない。……甘い言葉で、多くの人間の人生をめちゃくちゃにするような教祖様に、僕達は、絶対に負けないからな‼︎(激おこ殿下)」

「はっ‼︎ ほざけほざけ‼︎ お前らがここで時間を無駄にしている間にも、ここの神々は死んでいくのだ‼︎ ガッハハハハハハ‼︎(悪魔のような中年男性)」

「それはどうかな?(暗い瞳を閉じる殿下)」

「────っ⁉︎(なんだ、この余裕な顔は⁉︎)」

 ──と、そこへパトリック殿下と瓜二つな二人の男性が、山口からトコトコと出てきたではないか⁉︎──

「うえーい! みんな、楽しんでるー?(超ハイテンションな殿下の顔をした男性)」

「山の中にある地雷の大まかな場所に目処がついた。暴走族のみなさん、申し訳ないのですが一緒に掘り起こすのを手伝ってくれませんか?(礼儀正しい殿下の顔をした男性)」

「────っ⁉︎(ななななんなんだ、こいつらは⁉︎)」

「おっ! パトリックのじゃないか! 久しぶりだな‼︎(驚くこともなく、フランクに話しかけるサムライ男)」

「ウェーイ、サネユキパイセン、久しぶりっスねー‼︎(かなりチャラい、ハイテンション式神)」

「サネユキ様、ようこそトルネード王国へ。いつも、ご主人様パトリック殿下が人使い荒くて申し訳ありません。(しっかりしている式神)」

「気にしなくていいぞ! ニホンに居るより楽しいからな‼︎(爽やか笑顔なサムライ男)」

「……というわけだから。(ドヤ顔殿下)」
 
「──な、なにが、というわけなんだよ⁉︎(意味がわからない中年男性)」

「今から地雷の撤去をして、神様を安全な場所に避難させるんだ‼︎(大声で言い放つ殿下)」

「ふん! やれるものならやってみやがれ‼︎(ひねくれ中年男性)」

「(目線を、ノア達に向けて)みんな、僕の式神が案内するから、速やかに山の中へ入って、地雷を撤去してほしい‼︎(真剣殿下)」

「「「ラジャーー‼︎(左手を振り上げる青年達)」」」

『クックルー。(わしもかの。 ノアの頭にいる鳩)』

「それとお嬢さん、……取り出した地雷を二度と使えないよう破壊したいのですが、手伝ってもらえますか?(殿下)」

「ラジャー、ですわ‼︎(真剣なとある女性)」

「よし、……じゃあ、みんな、各々の持ち場に付いて‼︎」

「「「ラジャーー‼︎(走って行く青年達)」」」

 ──強面な青年達は、散り散りになった‼︎──

「……はん! 仲良し友情ごっこで、出来るのかねー?(……俺にも、コイツらのような仲間がいたら、生きる世界も違ったのかな。 ほんの少しだけ青年達が羨ましい中年男性)」

「……おじちゃん、ありがとね。(真っ直ぐな瞳の殿下)」

「────っ⁉︎ ななななんで、俺が、小童なんかに感謝されなきゃいけないんだよ⁉︎(ああありがとうだと⁉︎ 親にすら、言われたこと無かったのに……。 殿下からの言葉に動揺しまくる中年男性)」

「おじちゃんが地雷のことを言ってくれたから、僕達は、それに対して措置することが出来る。……そうでしょ?」

「いいいや、べべべつに、……ただ口が滑っただけだ‼︎ お前らなんかの都合良く言ってるわけじゃねえ!(たじたじ中年男性)」

「ううん。……僕には、おじちゃんの心が美しさが、分かるんだ。自信を持ってよ、おじちゃん。(清らかな瞳殿下)」

「……小童。(なななんなんだ、この胸の奥の温もりは……⁉︎ 何故だか目頭が熱くなる中年男性)」

「もし、おじちゃんが助言をしてくれなかったから、対地雷の小細工もかけられなかったからね!(きゅるるん殿下)」

「うん? ……小細工?(目が点な中年男性)」

「そう! 小細工! ……この山々に昔から住まう神様は、とても好奇心旺盛で、純粋な方々ばかりなんだ。……だからさ、神様の使いである鹿さんと毎日楽しく暮らしているんだけどね、……一度、鹿さんに危険が迫ると……。」

 ──と、中年男性の周囲を黒々とした雲が包囲した‼︎──

「んぐっ⁉︎ グハアアー⁉︎(い、息が出来ない⁉︎ どういうことなんだ⁉︎ 俺、ここで、死ぬの⁉︎ いきなり息が吸えなくなって、パニックに陥る中年男性)」

「鹿さんに危害を加えようとする輩に纏わりついて、離れないんだよね。(にこにこブラック殿下)」

「────っ⁉︎(この黒いもモヤモヤが神なの⁉︎)」

「……なるほど。……昔、山の中へ入る時は、絶対に鹿さんを襲ってはいけないと、親から言い聞かせられてきましたが、今、やっとその理由がわかりましたわ! 鹿さんは、神様とお友達だからなのですね!(中年男性がもがき苦しんでいる真横で、納得顔の女性)」

「そういうこと‼︎ 神様達は基本的には穏やかなんだけど、仲間や友達を失うと、一気に殺戮へ走るから、気をつけておかないと冗談抜きで人類滅亡ルートまっしぐらなんだよね。(口笛を吹きながら、地面に転がってる小枝を拾って、その小枝で黒い雲を巻き取る殿下)」

「……カハアッ‼︎(た、たすかったー。 放心中年男性)」

「おじちゃんが心酔している教祖様は、『神様自体には手を出せないから神様のお友達である鹿さん達を全滅に追いやって、神様達の精神をズタボロにしてやろう』と画策した。まあ効果は、真逆に作用するけどさ……。とりあえずおじちゃん達は、超ラッキーだよ! たまたま僕がここに来たから、僕の力で地雷を瞬時に湿気らすことができた。……この対価は、一生をかけて償ってほしいな。(きゅるるんパトリック殿下)」

「…………。(うなだれる中年男性)」

「(遠くの方から)パトリックでんかー! とりあえず、式神さん達が見つけた地雷全てを取り出せましたよーー‼︎(この地雷、いきなり爆発したりしないかな? 内心、地雷を抱えてビビりまくっているノア)」

 ──と、ノア達が両手に沢山のブラックボックスを抱えて、パトリック殿下のもとへ戻ってきた‼︎──

「おっ! 丁度いいところへ帰ってきたよ! 最後におじちゃん、……君達が思っている神様っていうのはさ、……見えない世界に通ずる者達からは『妖怪』って言われているんだ。(にっこり殿下)」

「妖怪……?(呆けている中年男性)」

「そう、……妖怪ってのは、全ての壁を超えて、僕達が住んでいる世界とは別の空間をも凌駕する。……おじちゃんは、そんな妖怪さんにをつけられているから、これからが大変だね‼︎(きゅるるん殿下)」

「────っ‼︎(うそだろ⁉︎ ガクブル中年男性)」

「パトリック殿下、なんだか嬉しいそうですけど、良いことがあったんですか?(きょとんなノア)」

「そうだね。……とある宗教団体を、取り込めるかもしれないから、これからが楽しみだなって思ってたんだよ。」

「ほえー、殿下も物好きですねー。(女性の方を向いて)……それでは先輩、後は、お願いします!(女性の前に、湿気た地雷を置くノア)」

「ラジャー、ですわよ‼︎(ドヤ顔な女性)」

 ──パトリック殿下の機転により、最悪の事態を回避することができた‼︎ 次回、地雷を解体後、惜別が迫る!──
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