【完結】そして、誰もいなくなった
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
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そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
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彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
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感想ありがとうございます。
見た目ストライクというか性癖合致というか、まあベリンダがイグナシオにとってそういう相手だったことは間違いないですね。なので、再教育プログラムにはそこも含まれてると思いますよ。
だいたい政略結婚なんてものは個人の好みや相性って二の次な部分がありますから。それでなくとも家門の裏稼業的には秘密を保持できる、共有できるのが大前提になりますからね。
感想ありがとうございます。
イグナシオが才能無しとはとんでもない。彼、両家門の当主にも王家にも未然に防がれることなく婚約破棄を実行できてますからね?タルシュ侯爵家後継者としての教育もきちんと身についてて、それを間違った方向に発揮しただけなんです(笑)。彼に足りなかったのは、タルシュ侯爵家とモンテローサ伯爵家の婚約を穏便に解消するための時間だけでした。だからこその強引で愚かとも取れる「公衆の面前での婚約破棄」だったわけです。
なのでイグナシオは多分、再教育のあとはタルシュ侯爵家の裏当主(候補)みたいな立ち位置になるかなと(爆)。
ちなみにセリアの実家は公爵家ですが王家の縁戚ではなくて、イヴェリアス王国が成立する前にこの地に割拠していた国々の旧王家のひとつです。なので王家にとってはライバル的な感じですね。イグナシオとセリアの結婚は王家とアストゥーリア公爵家の縁つなぎの意味合いもありました。
セリアの今後に関しては、ここで結果を出したので彼女もまたモンテローサ伯爵家の裏当主みたいな立ち位置になるでしょうね。兄のアメリオとともに家門の全盛期を築いたんじゃないかなと思います。
モニカのカタロニア家は「国防」ですね。王国の北の国境を守る王国の盾です。でも武門の家柄なので政略には弱くて、だからこそ「内政」のマジュリート公爵家と組んでいたわけです。そしてマジュリート公爵家としては「謀略」と「諜報」を屈服させておかないと王国内での実権を握れないわけです(爆)。
この作品は「終わりなき政争劇」がテーマなので、この後はひとまず逃げ延びたオルソンの巻き返しがあると思います。でもそこまで書いてたら延々とやり合って終わらないので(笑)、このお話はひとまずここまでということに( ̄∀ ̄;
感想ありがとうございます。
そう、セリアさん怖いんですよ(笑)。でも冒頭の時点では「裏の仕事」を何も与えられていなかったので、ただのおっとりした伯爵令嬢に見えてたんですね。
それに騙される奴がいればモンテローサ伯爵家とタルシュ侯爵家が対応しますし、実際にモニカのカタロニア伯爵家は要注意判定を食らってて、その動向からマジュリート公爵家の謀略まである程度把握されてた感じになります(爆)。イグナシオの「真実の愛」による婚約破棄と、両家の縁を繋ぐことに固執したセリアの(ベリンダに対する)独断専行がなければ、モニカとオルソンを排除するまで3年もかからなかったんじゃないでしょうかね……( ̄∀ ̄;
この作品は「終わりなき政争劇」がテーマなのでオルソンは逃げ延びてますし、実はこのあとオルソンの巻き返しがあったりなかったり(爆)。でもそこまで書いてるといつまでも終わらないので(笑)、このお話はひとまずここまでってことになります(^_^;
おもしろかったぁ~!
すごい!結末 想像できなかった!驚き!
もう一度 読み返そう!
ほんとに面白かったです!
最後の最後に、おぉっとなりました。
作者さまの作品を、追っかけようと思います!
感想ありがとうございます!
この作品はまだ書き慣れてない時期の作品で、今見返すと色々やり直したい気持ちにメッチャなるんですけど(笑)。感想で面白かったと言って頂けることが多いのでとてもありがたいです(^.^)
作品の多くは5万字以下のサクッと読める短編が多いので、手を出しやすいかと思います。10万字以下の中編とか、10万字超えてる長編もあります。
今のオススメは作者初の書籍化作品『公女が死んだ、その後のこと』です。よろしくお願いします!
うぉぉぉ、そうだったのか~!
感想ありがとうございます。
「そう」の部分が何を指すのかイマイチ分かりづらいですが、まあ「そう」だったのです(笑)。
感想ありがとうございます。
個人的にはそのつもりで書き進めましたけど、正直なところ父のセベリアノ次第な面がありますね。なので一応どちらとも取れるようぼかしています。
婚約破棄時点でイグナシオは17歳(この世界は年明けと同時に一律加齢、新年から約1ヶ月で学院卒業)で、刑期を終えても彼は20歳ですから、再教育の時間は充分あります。
ランキングから来ました。完結だったので一気に読み通しましたが、最後の最後に本当の黒幕に因果応報があって良かったです。もう一人の黒幕(こっちの方がより悪質?)もしばらく時間が経過してから受けるべき報いを受けることになるのだろうと想像はしていますが、もしその部分が番外編になれば是非読みたいです。
感想ありがとうございます。
もうひとりの末路に関しては、敢えて語らない事で本編終了と致しましたのでご想像にお任せしますね。というよりこの話は『終わりなきドロドロ政争劇』がテーマなので、おそらくやられたままでは終わらないのではないかと。
というわけで続きを書くと果てしなくなってしまうので、番外編などは書く予定がありません。ごめんなさいm(_ _)m
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