【完結】傷物公女は愛されたい!
「君は、辞退しようという気にはならないのか」
今日も今日とて、彼を侮る高位貴族の子弟が学園内で子爵家の次男を呼び止める。誰だか知らないが、知らなくても誰かは分かる。その用事も。
「子爵家の次男ごときが、本当に自分が彼女の夫として相応しいとでも思っているのか?」
「あ、その件でしたら公爵家の方へ直接お願いしますね」
「なに……?」
「そもそも婚約者を公募なさったのは公爵家ですし、公募自体も公女さまご自身のご意向だと伺っております。私をお選びになったのも公女さまご自身だと、当の本人から伺っておりますので」
「くっ、それは」
「ですのでご不満がお有りなら公爵家に、そして公女さまに直接申し上げてくださいませ。では」
そこまで言い捨てて一礼し、子爵家の次男は踵を返す。まさか反論されると思っていなかったようで驚きに顔色を染めていたが、知ったことではない。
やれやれ、自分だって釣書を送って、その上で落選したんでしょうに。相手がしがない子爵家だからって、思い通りにしようとか傲慢ですよ先輩?
筆頭公爵家には女児がひとりしか生まれなかった。男児の誕生を期待したものの結局生まれずに、唯一の娘である公女は正式に跡継ぎとなった。
その公女の婚約者を、なんと広く公募して決めると公爵家が表明したのだ。たちまち彼女の元には応募の釣書が殺到した。
そんな公女に悲劇が訪れる。学園の放課後に友人たちと街遊びに行って、ひとり公女だけが誘拐され乱暴されたのだ。
純潔を失ったことで、公女の婚約者への立候補者たちはみな辞退していった。そうして中々決まらなかった彼女の婚約者は、公募開始から2年を経てようやく決まった。
なんと、しがない貧乏子爵家の次男だったのだ。しかも決まったというのにふたりの仲はどう見ても険悪で、だから一旦は辞退した高位貴族の子息たちも色めき立った。
そういうわけで、今日も子爵家次男の元には婚約者を辞退するよう迫る子息たちがやって来る。公女とその婚約者が何を画策しているか知らぬままに。
そんな中、王国の第三王子が声高に宣言したのだ。公女の誘拐暴行事件の犯人が、他でもない子爵家次男だと⸺!
◆例によって設定なし、主役のふたり以外に名前はありません。全11話、1話あたり約1500字ですっきりハッピーエンド。年内完結予定。
◆この作品は小説家になろうでも同時公開します。
◆HOTランキング(女性向け)初登場50位!新年からお読み頂きありがとうございます!
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「なに……?」
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「くっ、それは」
「ですのでご不満がお有りなら公爵家に、そして公女さまに直接申し上げてくださいませ。では」
そこまで言い捨てて一礼し、子爵家の次男は踵を返す。まさか反論されると思っていなかったようで驚きに顔色を染めていたが、知ったことではない。
やれやれ、自分だって釣書を送って、その上で落選したんでしょうに。相手がしがない子爵家だからって、思い通りにしようとか傲慢ですよ先輩?
筆頭公爵家には女児がひとりしか生まれなかった。男児の誕生を期待したものの結局生まれずに、唯一の娘である公女は正式に跡継ぎとなった。
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そんな公女に悲劇が訪れる。学園の放課後に友人たちと街遊びに行って、ひとり公女だけが誘拐され乱暴されたのだ。
純潔を失ったことで、公女の婚約者への立候補者たちはみな辞退していった。そうして中々決まらなかった彼女の婚約者は、公募開始から2年を経てようやく決まった。
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そういうわけで、今日も子爵家次男の元には婚約者を辞退するよう迫る子息たちがやって来る。公女とその婚約者が何を画策しているか知らぬままに。
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