明日がどうなるか、誰にも分からない
「リュクレース!そなたとの婚約、今ここで破棄してくれる!」
社交シーズン最後の、王宮主催の大夜会。ここでもまた、ひとつの婚約破棄劇が繰り広げられようとしていた。
婚約者に指を突きつけ、婚約破棄を声高に宣言する王太子。相対する婚約者はせめて穏便に収めようと婚約“解消”を了承するも、王太子自身に破棄だと訂正されてしまう。
さらに王太子は婚約者の令嬢が罪を犯したのだと詰り、今認めるならば実家の公爵家の連座は見逃してやる、とまで言い放つ。
その言葉に居並ぶ貴族たちが激しく動揺した。この国に三家しかない公爵家のひとつを、婚約者が罪を認めなければ取り潰すと言ったも同然なのだから無理もない。
だがもっとも動揺したのは、まだ成人したばかりと思われるひとりの青年貴族だった。
「畏れながら、発言してもよろしいでしょうか」
会場の隅から上がったその声に注目が集まる。
居並ぶ招待客、貴族当主たちの視線を一身に浴びながら、青年貴族は王太子に問うた。
「王太子殿下にお尋ね致します。殿下はなにゆえ、このような場所で公女様を罪にお問いなさるのか」
その問いかけが、彼の意図するところが、国の根幹を揺るがしかねない事態に陥る嚆矢になると、この時はまだ彼以外の誰も気付いていなかった⸺!
◆衆人環視の婚約破棄ってなんでわざわざ罪状(冤罪含む)をいちいち挙げて断罪するんでしょうね?そんな事をすればとんでもない事態を招くのにねえ?っていう話。
全4話、およそ12000字です。
◆拙作『王子妃教育1日無料体験実施中!』の作中で言及された、ガリオン王国の過去の出来事の一幕です。具体的には「変わらない想いと意外な縁」でチラッと出ています。
ただ、そちらを読んでいなくてもこの作品は楽しめます。もちろん読めばさらに面白い、かも?
◆あらゆる意味でバッドエンドです。楽しい話にはならないので苦手な方はご注意を。ただし胸糞成分は薄め。モヤっとする終わり…、という表現が正しいかも。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。後々カクヨムでも公開するかも知れません。
カクヨム公開は決定すれば追記します。
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その言葉に居並ぶ貴族たちが激しく動揺した。この国に三家しかない公爵家のひとつを、婚約者が罪を認めなければ取り潰すと言ったも同然なのだから無理もない。
だがもっとも動揺したのは、まだ成人したばかりと思われるひとりの青年貴族だった。
「畏れながら、発言してもよろしいでしょうか」
会場の隅から上がったその声に注目が集まる。
居並ぶ招待客、貴族当主たちの視線を一身に浴びながら、青年貴族は王太子に問うた。
「王太子殿下にお尋ね致します。殿下はなにゆえ、このような場所で公女様を罪にお問いなさるのか」
その問いかけが、彼の意図するところが、国の根幹を揺るがしかねない事態に陥る嚆矢になると、この時はまだ彼以外の誰も気付いていなかった⸺!
◆衆人環視の婚約破棄ってなんでわざわざ罪状(冤罪含む)をいちいち挙げて断罪するんでしょうね?そんな事をすればとんでもない事態を招くのにねえ?っていう話。
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