天にあまねく、丹(あか)なる命 ~冷酷武王と戦乙女の契約花嫁~
辺境の地――国境を守る軍事貴族の家に生まれた少女、ロザリア・フォン・アウレンシュタインは、剣と血の匂いの中で育った。
兄弟は皆男。幼馴染も兵士ばかり。
彼女にとって戦場は、恐れる場所であると同時に、罪なき人々を守るために立つべき場所だった。
若くして王位に就いた王、アルヴァリス・エル=カエリオンは、冷酷無比な武王として諸国にその名を轟かせている。
自ら戦場に立ち、情を排した統治を行うその姿に、臣下たちは畏怖と同時に不安を抱いていた。
――王が戦死すれば、国は再び混乱に沈む。
ゆえに彼らは、アルヴァリスに結婚を迫る。
煩わしさから彼が口にした条件は、
「自分の身を自分で守れ、兵法と国を語れる女」。
冗談半分のその言葉は、やがて一人の戦乙女を王都へと呼び寄せる。
王家からの正式な招集。
拒むことは許されず、ロザリアは王宮へ赴く。
だがそれは、ただ命に従うためではない。
抑止力となるため、そして王を見極めるために、彼女は王都へ向かう。
謁見の場で王と向き合い、ロザリアは知る。
互いに、同じ現実を見てきた者であることを。
戦の中で失われる命。
平穏を踏みにじられる日常。
守るために、剣を取らねばならなかった現実。
やがてロザリアは、期限付きの契約花嫁となることを選ぶ。
それは愛ではなく、国を鎮めるための誓約。
しかし、剣を捨てぬ戦乙女と、冷酷を装う武王は、少しずつ互いの在り方に惹かれていく。
これは、すべての命が等しく尊いと信じた二人が、天の下に平穏をもたらすまでの物語。
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だがそれは、ただ命に従うためではない。
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互いに、同じ現実を見てきた者であることを。
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やがてロザリアは、期限付きの契約花嫁となることを選ぶ。
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