『婚約者を妹に奪われ、王宮から追放されたモブ令嬢ですが、全員の秘密を握っているので静かに復讐します』
子爵令嬢リディア・アーヴェルは、王宮記録院で働く地味な書記官だった。
誰も彼女の名前を覚えない。
婚約者も、家族も、王宮の上司たちも、彼女を便利な道具のように扱っていた。
ある夜、リディアは婚約者エドガーから婚約破棄を告げられる。
理由は、妹セレナを愛してしまったから。
さらに翌日、王宮での仕事までも妹に奪われる。
「お姉様の仕事くらい、私にもできますわ」
そう笑った妹は、リディアが十年近く支えてきた王宮記録院の仕事を三日で破綻させる。
一方、家も仕事も婚約者も失ったリディアの前に、冷徹と恐れられる王弟カインが現れる。
「君を探していた。王国には、君が必要だ」
だがリディアはもう、誰かのために自分を犠牲にするつもりはなかった。
彼女の手元には一冊の手帳がある。
そこには王宮、貴族、家族、元婚約者たちの秘密がすべて記されていた。
誰にも覚えられなかったモブ令嬢が、静かに王国を揺るがしていく。
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