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シャワーは水で、一気に体温が下がる。
震えて言葉も上手く紡げなかったが、それでも「ごめんなさい」と呟くようにくり返した。
藤崎がシャワーを止め、片足を俺の膝に乗せる。
「なあ、海。覚えているか?逃げようとしたら、二度と歩けないようにするって言ったこと」
俺がばっと顔を上げると、笑顔の藤崎と目が合った。
「10…9…」
藤崎が突然カウントダウンを始める。散々振るわれた暴力と酒のせいで、俺は立ち上がることもできなかった。
「ごめんなさい。もう絶対あんなことしません。何でも言うこと聞きます。ごっ、ごめんなさいぃ」
「6…5…」
「足はやだあ。歩く、歩きた…うわっ、うわあああ」
「うるせえ。2…1…」
俺は絶望から目を閉じた。
「0」
藤崎が足をそっとどかす。
「怖かったか?今はまだやらねえよ。今はまだ……な」
藤崎がしゃがみこみ、俺と目線を合わせ言う。
俺は首を振りながら泣きじゃくった。股が生温かく、俺はいつの間にか失禁していた。
藤崎はそんな俺にまた水のシャワーをかけると、リビングに抱いて連れて行った。俺はもうどんな抵抗もする気力は失せていた。
「お前、あの部屋の中、気になってたんだろ?見せてやるよ」
藤崎はそう言うと昼間どんな頑張っても開かなかったドアの前に俺をドスンと落とした。
藤崎がジーンズのポケットから鍵を取り出し、差し込む。
かちりと音がし、扉は簡単に開いた。
そこは異様な空間だった。
中は二畳ほどのスペースで真ん中に洋式のトイレがぽつんとオブジェのように置いてある。
藤崎はその部屋に俺を放りこんだ。
「ここでしばらく反省するんだな。水はあるから死なねえだろ」
それだけ言うと、扉を閉めた。外から鍵をかける音がする。
震えて言葉も上手く紡げなかったが、それでも「ごめんなさい」と呟くようにくり返した。
藤崎がシャワーを止め、片足を俺の膝に乗せる。
「なあ、海。覚えているか?逃げようとしたら、二度と歩けないようにするって言ったこと」
俺がばっと顔を上げると、笑顔の藤崎と目が合った。
「10…9…」
藤崎が突然カウントダウンを始める。散々振るわれた暴力と酒のせいで、俺は立ち上がることもできなかった。
「ごめんなさい。もう絶対あんなことしません。何でも言うこと聞きます。ごっ、ごめんなさいぃ」
「6…5…」
「足はやだあ。歩く、歩きた…うわっ、うわあああ」
「うるせえ。2…1…」
俺は絶望から目を閉じた。
「0」
藤崎が足をそっとどかす。
「怖かったか?今はまだやらねえよ。今はまだ……な」
藤崎がしゃがみこみ、俺と目線を合わせ言う。
俺は首を振りながら泣きじゃくった。股が生温かく、俺はいつの間にか失禁していた。
藤崎はそんな俺にまた水のシャワーをかけると、リビングに抱いて連れて行った。俺はもうどんな抵抗もする気力は失せていた。
「お前、あの部屋の中、気になってたんだろ?見せてやるよ」
藤崎はそう言うと昼間どんな頑張っても開かなかったドアの前に俺をドスンと落とした。
藤崎がジーンズのポケットから鍵を取り出し、差し込む。
かちりと音がし、扉は簡単に開いた。
そこは異様な空間だった。
中は二畳ほどのスペースで真ん中に洋式のトイレがぽつんとオブジェのように置いてある。
藤崎はその部屋に俺を放りこんだ。
「ここでしばらく反省するんだな。水はあるから死なねえだろ」
それだけ言うと、扉を閉めた。外から鍵をかける音がする。
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