雨上がりにかかる虹のような妻との約束

 妊活のため仕事を辞め、自宅でイラストレーターの仕事を始めた美里は、ある検査に『要精密検査』の判定がでた。
 結婚7年目の夫の武尊に同行受診を頼むが、取りあってくれず――。

 今は忙しいと言う夫に合わせ、一か月半経ってから再診することになった。
 妻との約束の日、渋々ながら産婦人科に同行した武尊が聞かされたのは、妻のがん宣告だ。

 妻はすぐに検査入院となり、自分のせいで治療が遅れたと狼狽する夫。  
 日ごろ、当たり前のように横にいてくれた妻の存在がなくなり、改めて妻の大切さを認識し、病気になった妻を励まそうと奮闘する。

 一方の妻は自分の残りの時間を意識し始めていたにもかかわらず、夫との受精卵を保存しておきたいと申し出る。そうすれば、治療開始は遅れるが、妊孕性を失うことを拒む美里の気持ちが優先された。

 新婚旅行先のハワイで聞いた言い伝えを語り始めた妻と旅行の約束をするが、それは叶うことはなかった。
 それから、死んだはずの妻からメールが届いて──。

 やまない雨を、太陽のような妻が照らしてくれた──。必ず君の元に戻るから。

※本作は2万5千文字の短編ですが、ライト文芸大賞に応募しています。
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