朱を入れる夜
午前零時の校閲部。ただ一人残って朱を入れる校閲者・久世理(31)のもとへ、編集者の篠宮透(27)が終電前の原稿を携えてやって来る。
「文字は嘘をつかない」と信じ、人の誤りを直すことでしか人に触れられなかった理。不器用なまなざしで、毎夜ただ隣に座る透。
ある夜、改稿された原稿の一文に、理は朱を入れられなかった。その言葉の持ち主を知ったとき、二人の距離は紙一枚ぶんまで縮まる。けれど理は、「正しくありません」と、いちばん間違った答えを口にしてしまう。
直すことでしか愛せなかった男が、直さないまま触れることを選ぶまでの物語。
「文字は嘘をつかない」と信じ、人の誤りを直すことでしか人に触れられなかった理。不器用なまなざしで、毎夜ただ隣に座る透。
ある夜、改稿された原稿の一文に、理は朱を入れられなかった。その言葉の持ち主を知ったとき、二人の距離は紙一枚ぶんまで縮まる。けれど理は、「正しくありません」と、いちばん間違った答えを口にしてしまう。
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