ich rede nichts 赤い皇女は語らない
一九六一年、ウィーン郊外に住まう老婦人をひとりの記者が訪ねる。
老婦人の名はエリザベート・マリー・ペツネック。
オーストリア=ハンガリー帝国の実質的な最後の皇帝、フランツ・ヨーゼフの孫娘であり、後に社会民主主義者と結婚したため「赤い皇女」とも呼ばれる女性だった。
取材に対して「私は何も語らない(ich rede nichts)」、すべては終わったことだと言いながら、彼女は過ぎた時代に思いを馳せる──
表紙画像はぱくたそより。
老婦人の名はエリザベート・マリー・ペツネック。
オーストリア=ハンガリー帝国の実質的な最後の皇帝、フランツ・ヨーゼフの孫娘であり、後に社会民主主義者と結婚したため「赤い皇女」とも呼ばれる女性だった。
取材に対して「私は何も語らない(ich rede nichts)」、すべては終わったことだと言いながら、彼女は過ぎた時代に思いを馳せる──
表紙画像はぱくたそより。
あなたにおすすめの小説
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
If太平洋戦争 日本が懸命な判断をしていたら
みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら?
国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。
真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…そして終戦工作 分水嶺で下された「if」の決断。
破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦
そしてそこから繋がる新たな近代史へ
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
【完結】捨てられた侯爵夫人の日記
ジュレヌク
恋愛
十五歳で侯爵家に嫁いだイベリス。
夫ハイドランジアは、愛人と別邸に住み、三年の月日が経った。
白い結婚による婚姻不履行が間近に迫る中、イベリスは、高熱を出して記憶を失う。
戻ってきた夫は、妻に仕える侍女アリッサムから、いない月日の間書き綴られた日記を手渡される。
そこには、出会った日から自分を恋しいと思ってくれていた少女の思いの丈が詰まっていた。
十八歳になり、美しく成長した妻を前に、ハイドランジアは、心が揺らぐ。
自分への恋心を忘れてしまったとしても、これ程までに思ってくれていたのなら、また、愛を育めるのではないのか?
様々な人間の思いが交錯し、物語は、思わぬ方向へと進んでいく。
選ばれなかったのは、どちら?
白瀬しおん
恋愛
「あなた、本当にうちの家にふさわしいと思っているの?」
その一言で、すべては終わるはずだった。
婚約者は沈黙し、公爵夫人は微笑む。
わたくしはただ、静かに席を立った。
――それで、終わりのはずだったのに。
届いた一通の封書。
王城からの照会。
そして、夜会に現れた“迎え”。
その日、選ばれたのは――どちらだったのか。
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
まだ拝読途中ですが、興味深いお話です。
ただ、最初の夫との顛末に関しては「飼い犬に手を噛まれた」というか、実際のところは皇女の権力で元いた恋人とも別れさせてまで結婚した挙句、利用して捨てるつもりでいた相手からしっぺ返しを食らったように見えますね。
そもそもこのヒロインが全く夫を愛しておらず最初から利用して別れるつもりで不倫までしているのだから、夫から病気になっても自分より遺産の心配をされる展開になっても全くの自業自得で、むしろ彼女の利己的で打算的な本質が相手も相応の人間に変えた話に思えました。
貴人情薄しというかこのヒロインのプライドなのでしょうが、
「私は最初から相手を利用するつもりでいましたよ? 相手は馬鹿だから気付かなかったでしょうけど」
というスタンスが読んでいていじましく、
「心から愛情を持っていたのに裏切られました」
と直情に語るより却って愚かしくすら思えました。
こんにちは。以前、資料本のお話をさせていただいた石川です。
『赤い皇女は語らない』読ませていただきました。悠井さまがこちらの作品を書かれていた頃からずっと読みたいと待望しておりまして、WEBご連載をどうもありがとうございますっ。お疲れさまでした。
ルドルフの娘さんの話〜〜〜! それだけで垂涎のテーマでございました。錚々たる名前と時代背景の醍醐味を大いに堪能させていただきました。Elisabethってほんとうに波瀾万丈で物語として魅力的な人生を持った方だったのですね。語りの形式の意図も素敵でしたが、角度を変えてまた別の解像度の高い形式の作品としても読んでみたい!と思いました。特に最初の夫の別の女性とのあれこれを……(昼ドラ的な笑)
オーストリア近代史としても勉強になりました。複雑に込み入った時代ですけれども、さらりと頭に入ってきて読みやすい筆致、さすがです。
そしてまさかラスボス(?)が彼とは!! なるほど!
ぜひぜひ今後もまた悠井さまの格調高い文体でウィーン・オーストリア近代の物語を楽しませていただきとうございます。期待させてくださいませ♪
素晴らしい物語の発掘とご提供をどうもありがとうございました。
ご感想ありがとうございました。
2020年度の集英社ノベル大賞の選評に対して、歴史ものを書く難しさ・心構えについて呟いた際に資料をご紹介いただいたのですよね。その節も、誠にありがとうございました……!
祖母や父が有名な方ですが、調べるにつれて、こちらのElisabethこそ自らの意志で自らの人生を生きた方だったと思い、本作の執筆に挑戦しました。語り形式も好んで書くものだったこともあり、絶対に好き好んで語らなさそうなこの方に、いかに語ってもらうかを工夫したつもりです。ハプスブルク帝国・一族の行く末とオーストリアの歴史の一端と、お楽しみいただけたら幸いです。
本作ではElisabethの人生の概観に留まってしまった感もあり、機会があれば、いずれかの時期に焦点を当ててこの方をさらに掘り下げたいと思っております。ご縁がありましたら、その際はどうぞよろしくお願いいたします。