死ぬまでの暇つぶしにパリ巡りでも
死にたい同士、パリでの宝探しが始まる。19世紀中ごろのセーヌ川河畔。中産階級の令嬢プレヌは、一家の特殊能力を受け継がなかったために家族に疎まれ、嫁いだ夫に出来損ないと殴られているところを、一人の青年、ロジェに救われる。「わたしが死んでも悲しむ人なんか一人もいない」哀愁に酔いつつそう言う彼女に、彼はあっさり頷いた。「そうみたいだね。けど請われるまま従順に死んで、それでいいのか?」「--いいわけあるかっ!」眠っていた生来の負けん気を再起させた彼女は、ある望みを自覚する。それは灰色の生活を手紙で励ましてくれた文通相手に死ぬ前に一目会いたいというものだった。ロジェと二人、プレヌは人探しの旅に出る。シャンゼリゼでドレスを、モンマルトルでスイーツを。残念令嬢としての自分に落ち込めばセーヌ川のクルーズへ連れ出してくれる。オペラ座で虐げられた家族と再会すれば、新しい夫のふりをしてくれて? スマートでくだけた彼の抱える秘密を知ったとき、プレヌの心は大きく揺れ動く――。パリ巡りの結末とは? 文通相手には無事会える? おしゃれにときめきに、心を投げ出せる快さいっぱい。今こそラブロマンスを。
序章
第1章 シャンゼリゼで旅支度
第2章 リュクサンブールの駆け引き
第3章 優しき奴隷管理官
第4章 モンマルトルと砂糖漬けすみれ
第5章 まっとうすぎて変わってる
第6章 アポロンの間と宝物
第7章 華麗なるオペラ座の報復
第8章 セーヌ河にて楽園を想う
第9章 歌姫の来訪
第10章 心を誘い出されて
第11章 牽制
第12章 大幅な遅れをお詫びいたします
終章
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