白物語 ―神が百人にチート能力を配ったけど、俺の《白》だけ意味が分からない―
十年前、空に天使が現れた。
天使の光によって夜は消えた。
最初こそ人類は混乱したが、十年も経てば慣れる。今では空に天使が浮かんでいても、駅前を歩く人間は誰も見上げない。
同時刻、神は人類百名に能力《スキル》を与えた。
《時間》《因果》《願望》《虚構》《死》《創造》。
世界を壊しかねない能力ばかりが並ぶなか、俺に与えられた能力は――《白》。
説明書なし。
保証書なし。
お問い合わせ窓口なし。
白い服を着た。
白米を食べた。
牛乳を飲んだ。
豆腐も買った。
何も起きなかった。
神様、お前ゲーム作るの絶望的に下手クソだよ。
しかし俺は、まだ知らなかった。
《白》とは、あらゆる物語を終わらせる能力ではない。
世界にとって最も劇的な展開を、どうしようもなく面白い展開へ書き換える能力だった。
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