死霊術師アンナ・ベルと幸福の庭
『僕』こと『ドゥセル・サイレントビナー』は、しがない錬金術師見習いだった。
聖王歴1927年10月末日、僕は死んだ。
単純な事故死だった。伝説の霊薬『エクリサ』の調合のさなか、爆発を起こしたのだ。
身の丈に合わぬ錬成のせいで、死んだ。それはまあ、実力不足の結果だから仕方ない。
だけど、誰も救えず、結果も出せずに死んだことだけが、心残りだった。
そんなふうに思ってしまったからだろうか。
『次』に目を覚ました時、僕の前には『死神』がいた。
「起きましたね。さあ、あなたのたましいの名を教えなさい」
命令を下したのは、『死神』――否、銀髪の美しい少女だった。
混乱しながらも僕が名前を口にすると、少女はにこりとすることもなくこう告げた。
「幸福の庭にようこそ。あなたは死の恐怖から自由になれました。
おめでとう、ドゥセル。あなたの主――死霊術師アンナ・ベルはあなたを歓迎しますよ」
死霊術師アンナ・ベルが手にした鏡の中には、のっぺりとした顔の木偶人形が映り込んでいた。
これが僕? まさか、僕は死んで、こんな姿で蘇らされたのか!?
あまりの事実に衝撃を受けながらも、『僕』は選択の余地もなく、アンナ・ベルの下僕として働き始めるのだが――。
これはあまりにも理不尽で、それでも美しかった少女の記憶の物語。
「――アンナ・ベル。君は僕を二度殺した」
「カクヨム」にて、連載及び先行掲載しています。
(https://kakuyomu.jp/works/16816927862670338963)
聖王歴1927年10月末日、僕は死んだ。
単純な事故死だった。伝説の霊薬『エクリサ』の調合のさなか、爆発を起こしたのだ。
身の丈に合わぬ錬成のせいで、死んだ。それはまあ、実力不足の結果だから仕方ない。
だけど、誰も救えず、結果も出せずに死んだことだけが、心残りだった。
そんなふうに思ってしまったからだろうか。
『次』に目を覚ました時、僕の前には『死神』がいた。
「起きましたね。さあ、あなたのたましいの名を教えなさい」
命令を下したのは、『死神』――否、銀髪の美しい少女だった。
混乱しながらも僕が名前を口にすると、少女はにこりとすることもなくこう告げた。
「幸福の庭にようこそ。あなたは死の恐怖から自由になれました。
おめでとう、ドゥセル。あなたの主――死霊術師アンナ・ベルはあなたを歓迎しますよ」
死霊術師アンナ・ベルが手にした鏡の中には、のっぺりとした顔の木偶人形が映り込んでいた。
これが僕? まさか、僕は死んで、こんな姿で蘇らされたのか!?
あまりの事実に衝撃を受けながらも、『僕』は選択の余地もなく、アンナ・ベルの下僕として働き始めるのだが――。
これはあまりにも理不尽で、それでも美しかった少女の記憶の物語。
「――アンナ・ベル。君は僕を二度殺した」
「カクヨム」にて、連載及び先行掲載しています。
(https://kakuyomu.jp/works/16816927862670338963)
あなたにおすすめの小説
ごめん。で済まされない愛
リディアローゼ・フェルディナント伯爵令嬢は、ある日の夜会で婚約者のエドガー・ハルフォード侯爵令息から婚約破棄されてしまう。
理由は好きな人ができた。
好きな人とは、ミレーヌ・クロフォード伯爵令嬢。
ミレーヌは、社交界で将来の侯爵夫人を名乗るばかりか、リデイアローゼのことを陰で、さんざん罵っていた。
リディアローゼの6年間の努力を蔑ろにした二人は、次第に後悔の奈落へと突き落とされる。
、
捨てられた令嬢は、もうアナタを待たない
エレノア・グランディア侯爵令嬢は、王立学院の舞踏会で、婚約者のレオンハルトから公然と婚約破棄を言い渡された。
男爵令嬢殿恋を真実の愛と錯覚したレオンハルトは、意気揚々だったが、帰宅して父公爵に怒鳴られてしまう。
【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します
「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
婚約もなしで結構です
モニカには婚約を予定している幼なじみがいる。
自分の用事は言いつけるのに、こっちの約束は破る彼にうんざり。
ある日、友だちの幼なじみと出会い、彼の優しさに触れるうちに好きになっていく。
幼なじみの無神経な振る舞いに愛想を尽かして婚約をなしにするも、彼は認めないと逆ギレして――。
その婚約破棄、根拠が三箇所おかしゅうございます
前世は苦情処理課。つじつまの合わない話を聞くと、頭が勝手に穴を探してしまう。
そのせいでロゼリアは、王太子の断罪を反射的に論破してしまった。200人の前で、三点も。
断罪されていた令嬢は、意中の人の妹。彼女が廃されれば、ロゼリアの縁談も消える。だから守るしかない。
問題は、論破するたびに王太子が目を輝かせることだった。
「これほど聡明な令嬢に会ったことがない!」
――やめて。こちらを見ないで。
「もう、うんざりだ」と言われたので、出ていきますね
【とりあえず、何かください】
ある日、豪華なベッドで一切の記憶を失った状態で目覚めた私。鏡を見ても「あなたは誰?」駆けつけた使用人たちに、言いたい放題言われるけれど、他人事のようで少しも自覚が持てない。ただ分かったのは、自ら毒を飲んだことと、夫がいるということだった。妻が目覚めたのに駆けつけてこない夫の元へ挨拶に行くと「もう、うんざりだ」と告げられる。皆からは嫌われているし、記憶もないから未練もない。青ざめる夫に別れを告げて、新天地へと旅立つことを決意した――
※ 他サイトでも投稿中
※ 22時更新予定