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第1話 5か月後~違和感~ ナタリー&俯瞰視点(2)
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「……あ、あの……。フィリップ、さま…………。そんなにも大変な事が、起きていらっしゃるのですか……?」
わたくしはおもわず立ち上がり、自然と声は震えてしまう。
どんなことをしてでも会いに来てくださっていた人が、来れないなんて。ただ事ではありませんわ。
「もしや……。フィリップの父親の身に、何かあったのでしょうか……?」
「え? いや、何もないよ。どうして、そんなにも深刻な顔をしているんだい?」
「そ、それは……。だ、だって……。フィリップ様が、明後日と仰ったからですわ」
今までとは違うことが起きた。それが理由で心配になった。
そういったものを伝えると、??? フィリップ様はキョトンとされて、あとのあと、息を呑む音がした。
「? フィリップ様……?」
「ああいやっ、なんでもないんだっ! そ、そうだなっ、確かにそうだったっ! でっ、でも安心してくれ! 身内にはなにもないっ! 原因は、そのな、場所が遠いだけなんだよっ! 2つ離れた国に移動する必要があって、物理的に不可能となってしまっただけなんだよっ!」
「ぁ、そうだったのですね。安心しましたわ」
わたくしったら、そういった可能性が頭から抜けてしまっていましたわ。この方は侯爵家の嫡男――交友関係がお広いのだから、遠くの国に足を運ぶ事だってありますわよね。
やけに焦っているのは気になるけれど、フィリップ様はわたくしに隠し事はしない方ですもの。安堵の息と頷きを返しました。
「当然明後日は、今日と明日の分を挽回する。何かしらの素晴らしいものを用意しておくから、期待しておいてくれ」
「はい、フィリップ様……っ。楽しみにしております。お気を付けくださいませ」
爽やかな笑みに微笑みをお返しして、寂しいけれど、今日はさようなら。フィリップ様はお見送りをするわたくしに笑顔で手を振り返してくださり、2つ離れた国・リヴェルへと旅立たれたのでした――。
〇〇
そうしてフィリップと別れた、ナタリー。彼女は想い人の安全を祈りながら、2日後の再会を心待ちにするのですが――。
その、翌日。そして、2日後。そんな彼女を、とある衝撃が襲うのでした。
わたくしはおもわず立ち上がり、自然と声は震えてしまう。
どんなことをしてでも会いに来てくださっていた人が、来れないなんて。ただ事ではありませんわ。
「もしや……。フィリップの父親の身に、何かあったのでしょうか……?」
「え? いや、何もないよ。どうして、そんなにも深刻な顔をしているんだい?」
「そ、それは……。だ、だって……。フィリップ様が、明後日と仰ったからですわ」
今までとは違うことが起きた。それが理由で心配になった。
そういったものを伝えると、??? フィリップ様はキョトンとされて、あとのあと、息を呑む音がした。
「? フィリップ様……?」
「ああいやっ、なんでもないんだっ! そ、そうだなっ、確かにそうだったっ! でっ、でも安心してくれ! 身内にはなにもないっ! 原因は、そのな、場所が遠いだけなんだよっ! 2つ離れた国に移動する必要があって、物理的に不可能となってしまっただけなんだよっ!」
「ぁ、そうだったのですね。安心しましたわ」
わたくしったら、そういった可能性が頭から抜けてしまっていましたわ。この方は侯爵家の嫡男――交友関係がお広いのだから、遠くの国に足を運ぶ事だってありますわよね。
やけに焦っているのは気になるけれど、フィリップ様はわたくしに隠し事はしない方ですもの。安堵の息と頷きを返しました。
「当然明後日は、今日と明日の分を挽回する。何かしらの素晴らしいものを用意しておくから、期待しておいてくれ」
「はい、フィリップ様……っ。楽しみにしております。お気を付けくださいませ」
爽やかな笑みに微笑みをお返しして、寂しいけれど、今日はさようなら。フィリップ様はお見送りをするわたくしに笑顔で手を振り返してくださり、2つ離れた国・リヴェルへと旅立たれたのでした――。
〇〇
そうしてフィリップと別れた、ナタリー。彼女は想い人の安全を祈りながら、2日後の再会を心待ちにするのですが――。
その、翌日。そして、2日後。そんな彼女を、とある衝撃が襲うのでした。
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