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26:[オタク 勃起 キモイ]【検索】
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「ごめ、な、さい。あおい、さん」
今にも泣き出しそうなその声の主は、顔を真っ赤に染め上げ、体を震わせながら必死に俺の名前を呼んだ。
その姿は、そりゃあもう間抜けで、声を上げて笑いだしそうになる程滑稽極まりなかった。しかし、もちろんおくびにも出さない。優しく優しく声をかける。
あぁ、俺ってこんな声が出せたのか、と自分でも驚くほど優しい声だった。
「大丈夫ですよ、タローさん」
「っふぅ」
俺が優しく触れただけで緩く勃起し始めたタローさんのペニスは、施術中であるにも関わらず、その後もムクムクと反応していった。
どうせ他人に使った事なんて無いだろうソレは、先端は濃い桃色で、幹の部分は、必死に口を覆い隠している手首の部分より少し濃い肌色をしていた。さすが、未使用品は綺麗なモンだ。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
「……っぁ」
気持ち良いのだろう。必死に声を抑えているにも関わらず、タローさんの口から声が漏れた。キモイわ。黙れよ、キモオタの喘ぎ声なんて聞きたくねぇし。
そんな思考とは裏腹に、いつもよりわざと、丁寧に、そしてゆっくりと触れる。俺の手の中で勃起するソレは、今にも弾けそうなほどピンと天井を向き、亀頭の先にはプクリと先走りを湛え始めた。そのうち、先端に納まり切らなくなった先走りが、裏筋の方へと垂れてくる。
暑い。額に汗が滲む。この部屋、少し暑い。暖房が効き過ぎているんじゃないだろうか。
「左を開きますよ。出来ますか?」
「は、い」
俺の手に、先走りの汁が付く。手袋をしているので直接触れているワケではない。あぁ、良かった。直接触れてたらキモくて作業に集中出来なかっただろう。
そう思っている筈なのに、一枚ゴムを隔てた先に感じる熱さと滑りに妙なもどかしさを感じた。直接触れたいなんて、決して思ってない。
「上手ですよ、タローさん」
「っはぁ」
熱を含んだ吐息が漏れる。
恥ずかしいのだろう。両腕で顔を隠してはいるものの、首筋から顔のラインにかけて真っ赤に染まっていた。足を開きながら曲げられた足の指が、時折ピクと俺の触れる動きに合わせて反応する。もう、ペニスからはタラタラととめどなく先走りが溢れていた。
ゴクリと、思わず口の中に溜まった唾液を呑み下す。
「……」
気付けば、俺は本能のままに手袋を外していた。何をしているんだ、俺は。そんな自分の声を無視し、俺はその勃起するペニスを裏筋からそっと先走りを掬うように指で撫で上げ、そして思う。
あぁ。この人の勃起した生のペニスに触ったのは、きっと俺が初めてだろう、と。
「つ、っあ――……!」
詰まったような嬌声と共に、タローさんの腰がヒクリと揺れ、俺の手にはベッタリと彼の精液が付いていた。ツンと鼻を突く独特の精液の匂いが施術室に広がる。
背中に、嫌な汗が流れた。
「……あ。うそ、だろ」
その言葉は、タローさんに向けられたモノではない。そう“俺”自身に向けられた、驚愕の言葉だった。
しかし、俺の口から漏れた言葉を、自分に向けられたモノだと勘違いしたタローさんは、その後、下半身を晒したまま、顔を真っ赤にして俺に謝罪を繰り返した。
「……っふぅ、うっ、うぇ」
いつもの俺なら、もっと上手くフォローできた。けれど、その時は出来なかった。そんな余裕欠片もなく、気が付けばタローさんは逃げるように施術室から出て行った。
「はぁっ……何やってんだ、俺」
タローさんを引き留める事も、追いかける事も出来ないまま、俺は頭を抱え、施術台に腰を下ろしていた。動けない筈だ。ああ、動ける筈もない。
「なんで、俺まで勃ってんだよ」
熱を鎮めようにも、頭の中を埋め尽くすタローさんの痴態はそれを許してはくれなかった。
「ごめ、な、さい。あおい、さん」
今にも泣き出しそうなその声の主は、顔を真っ赤に染め上げ、体を震わせながら必死に俺の名前を呼んだ。
その姿は、そりゃあもう間抜けで、声を上げて笑いだしそうになる程滑稽極まりなかった。しかし、もちろんおくびにも出さない。優しく優しく声をかける。
あぁ、俺ってこんな声が出せたのか、と自分でも驚くほど優しい声だった。
「大丈夫ですよ、タローさん」
「っふぅ」
俺が優しく触れただけで緩く勃起し始めたタローさんのペニスは、施術中であるにも関わらず、その後もムクムクと反応していった。
どうせ他人に使った事なんて無いだろうソレは、先端は濃い桃色で、幹の部分は、必死に口を覆い隠している手首の部分より少し濃い肌色をしていた。さすが、未使用品は綺麗なモンだ。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
「……っぁ」
気持ち良いのだろう。必死に声を抑えているにも関わらず、タローさんの口から声が漏れた。キモイわ。黙れよ、キモオタの喘ぎ声なんて聞きたくねぇし。
そんな思考とは裏腹に、いつもよりわざと、丁寧に、そしてゆっくりと触れる。俺の手の中で勃起するソレは、今にも弾けそうなほどピンと天井を向き、亀頭の先にはプクリと先走りを湛え始めた。そのうち、先端に納まり切らなくなった先走りが、裏筋の方へと垂れてくる。
暑い。額に汗が滲む。この部屋、少し暑い。暖房が効き過ぎているんじゃないだろうか。
「左を開きますよ。出来ますか?」
「は、い」
俺の手に、先走りの汁が付く。手袋をしているので直接触れているワケではない。あぁ、良かった。直接触れてたらキモくて作業に集中出来なかっただろう。
そう思っている筈なのに、一枚ゴムを隔てた先に感じる熱さと滑りに妙なもどかしさを感じた。直接触れたいなんて、決して思ってない。
「上手ですよ、タローさん」
「っはぁ」
熱を含んだ吐息が漏れる。
恥ずかしいのだろう。両腕で顔を隠してはいるものの、首筋から顔のラインにかけて真っ赤に染まっていた。足を開きながら曲げられた足の指が、時折ピクと俺の触れる動きに合わせて反応する。もう、ペニスからはタラタラととめどなく先走りが溢れていた。
ゴクリと、思わず口の中に溜まった唾液を呑み下す。
「……」
気付けば、俺は本能のままに手袋を外していた。何をしているんだ、俺は。そんな自分の声を無視し、俺はその勃起するペニスを裏筋からそっと先走りを掬うように指で撫で上げ、そして思う。
あぁ。この人の勃起した生のペニスに触ったのは、きっと俺が初めてだろう、と。
「つ、っあ――……!」
詰まったような嬌声と共に、タローさんの腰がヒクリと揺れ、俺の手にはベッタリと彼の精液が付いていた。ツンと鼻を突く独特の精液の匂いが施術室に広がる。
背中に、嫌な汗が流れた。
「……あ。うそ、だろ」
その言葉は、タローさんに向けられたモノではない。そう“俺”自身に向けられた、驚愕の言葉だった。
しかし、俺の口から漏れた言葉を、自分に向けられたモノだと勘違いしたタローさんは、その後、下半身を晒したまま、顔を真っ赤にして俺に謝罪を繰り返した。
「……っふぅ、うっ、うぇ」
いつもの俺なら、もっと上手くフォローできた。けれど、その時は出来なかった。そんな余裕欠片もなく、気が付けばタローさんは逃げるように施術室から出て行った。
「はぁっ……何やってんだ、俺」
タローさんを引き留める事も、追いかける事も出来ないまま、俺は頭を抱え、施術台に腰を下ろしていた。動けない筈だ。ああ、動ける筈もない。
「なんで、俺まで勃ってんだよ」
熱を鎮めようにも、頭の中を埋め尽くすタローさんの痴態はそれを許してはくれなかった。
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