主様と私

 私の主様は、人が嫌いで、自分が嫌いだ。

 類稀な容姿も主様には災厄を招くものでしかなく、爵位を継ぐと共に地下室に籠るようになったらしい。

 私は『渡り人』で、街に入るために奴隷となり、主様に買われた。







 絵本のようなハッピーエンドはあまりにも似合わないし、そんな高望みはしないから、ただ、静かに平穏な日々を過ごせたら…、望みはそれだけ。



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