【Velvet Command】〜CALL My NAME〜
入社して数か月。
結城絢斗は、直属の部下・久世遼と、まだ一度も食事を共にしたことがなかった。
誰かのために作られた二段重。
日陰に用意された予約席。
アリウムの花束と、旬の桃を使った手作りタルト。
それらがすべて、自分の誕生日を祝うためのものだと知った時――
誰かに甘えることを知らなかった絢斗の胸に、初めて小さな願いが生まれる。
「……一度くらい、名前で呼べ」
まだ上司と部下だった二人が、初めて互いの名前を呼び合った、夏の日の物語。
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