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不安だから付けさせて?
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私は小さい頃からずっと、寛道の私に対するあれこれは全部冗談や嘘っこで、みんな私を揶揄うためのものだと思っていたけれど、もしかしたら私以外のみんなは、寛道のあれこれが最初から全て本気だったって分かっていたのかな?
まさかね、って思いながら「ねぇお母さん、寛道って……」って何気なく口火を切ったら、「あの子は小さい頃からずーっと花々里ちゃんのこと好きでいてくれたから……。お母さん、花々里ちゃんはいつか寛道くんのお嫁さんになるのかなぁって思ってたくらいよ」って、皆まで言う前に溜め息混じりに淡く微笑まれた。
「嘘……」
そうつぶやいたら、頼綱までもが「幼なじみくんの気持ちには俺もすぐに気付いたよ? だからお互いにライバルとして牽制し合っていたつもりなんだけど……。当の花々里はちっとも気付いてなかったね」って苦笑された。
そうして最終的にはお母さんと頼綱が2人して、そんな私が頼綱とこういう関係になれたのは奇跡だって口を揃えるの。
「わ、私にだって恋愛感情のひとつやふたつ、あるもん!」
あんまりにも2人が息をそろえたみたいに笑うから、思わず売り言葉に買い言葉でそう言ったら、「ひとつやふたつ? ひとつは僕とのものとして、もうひとつは誰とかね?」って頼綱に睨まれて。
ひーっ、僕!!
こっ、言葉の綾です!
ひとつしかありません!
それを納得してもらうまでに、お母さんと別れてからも10分近くを要することになるなんて、そのときの私は思いもしませんでした!
頼綱って、時々変に融通が利かなくなる時があって、本当大人気ないなって思います!
まさかね、って思いながら「ねぇお母さん、寛道って……」って何気なく口火を切ったら、「あの子は小さい頃からずーっと花々里ちゃんのこと好きでいてくれたから……。お母さん、花々里ちゃんはいつか寛道くんのお嫁さんになるのかなぁって思ってたくらいよ」って、皆まで言う前に溜め息混じりに淡く微笑まれた。
「嘘……」
そうつぶやいたら、頼綱までもが「幼なじみくんの気持ちには俺もすぐに気付いたよ? だからお互いにライバルとして牽制し合っていたつもりなんだけど……。当の花々里はちっとも気付いてなかったね」って苦笑された。
そうして最終的にはお母さんと頼綱が2人して、そんな私が頼綱とこういう関係になれたのは奇跡だって口を揃えるの。
「わ、私にだって恋愛感情のひとつやふたつ、あるもん!」
あんまりにも2人が息をそろえたみたいに笑うから、思わず売り言葉に買い言葉でそう言ったら、「ひとつやふたつ? ひとつは僕とのものとして、もうひとつは誰とかね?」って頼綱に睨まれて。
ひーっ、僕!!
こっ、言葉の綾です!
ひとつしかありません!
それを納得してもらうまでに、お母さんと別れてからも10分近くを要することになるなんて、そのときの私は思いもしませんでした!
頼綱って、時々変に融通が利かなくなる時があって、本当大人気ないなって思います!
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