手のひらのロブナリア

繰り返し繰り返し、何度も同じ夢を見ている

身寄りのない奥井七緒は、18の春に育った施設を出てひとりで暮らしている。幼い頃から人の負の感情が視えることは誰にも言えない秘密で、七緒のことに対して過干渉気味な友人の篤弘にも打ち明けたことはない。バイトで生活費を稼ぎながら高校生活を送っていたある日、空き部屋だったアパートの隣の部屋に若い男が引っ越してきた。見た目の雰囲気から七緒はてっきり年上なのだと思ってしまうが…
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