さよなら人間

古い日本家屋で義母・美津の介護をする遥。美津の体は奇妙な変質を遂げ、皮膚が赤黒い錆に覆われ、関節からは金属音が響く「鉄の塊」へと変わりつつあった。遥は表面上は献身的に尽くしながらも、内心では美津への嫌悪と、自分を縛り付ける環境への絶望を抱えていた。
 しかし、長雨が続くある日、遥自身の体にも異変が起こる。口の中に広がる強烈な鉄の味、そして手の甲に現れた錆のような斑点。それは、その家に嫁いだ女たちが逃れられない、肉体が徐々に硬質な物質へと変わっていく宿命だった。
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