十年後が見えない私たちは、十八歳で夫婦になることを選んだ
高校二年生の春。
望月晃の隣の席に、北海道から転校してきた、灯野優佳がやってきた。
転校初日、彼女は晃の単語帳に一枚の付箋を貼った。
『今度、デートしない? 東京を案内してほしいな』
どうして自分なのかと聞けば、「隣だから」。そんな理由で、二人のデートは始まった。
何度も一緒に過ごすうちに、優佳は「晃くんがいい」と笑うようになり、晃もまた、優佳の隣には自分がいたいと思い始める。
けれど優佳が東京に来たのは、恋をするためではなかった。
生まれつきの心臓病。専門病院に通うために、母と二人で移り住んできたのだと、優佳は打ち明ける。
「私のこと、可哀想な人って思わないで」
彼女が欲しいのは、同情でも、儚い思い出でもない。恋人と街を歩くこと、誰かの妻になること。誰にでもある「普通の未来」を、自分の手で選び取ることだった。
「隣だから」で始まった恋は、やがて二人を十八歳の結婚へと導いていく。
これは、自分の人生を諦めたくない少女と、その隣にいることを選んだ少年の物語。
毎日20時更新予定です。
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