クジ引きで選ばれた勇者
今から五百年ほど前に冒険者の「覇王」が女神が用意したというクジ引きで勇者に選ばれ魔王を倒し伝説となった。
それから時は流れた。
アロン王国は弱小国家で、魔大陸という厄介な島を強国から押し付けられた。
魔大陸には強力な結界が張られており、入る事も出る事も出来ないと言われていた。
そんな魔大陸の中には一つの村と魔王が治める城があると言われていたが、何よりも強力な魔物が蔓延っているとも伝わっていた。
魔大陸を抱え込んだ当時のアロン王は困り果て、勇者に救いを求めた。
ただ、勇者はそう簡単には現れない。
そこでアロン王が目を付けたのが伝説の勇者を生んだクジ引きだった。
しかし、弱小国が作ったクジ引きで選ばれた勇者はまがい物ばかりで魔大陸をどうにかできる事は無かった。
やがて、魔大陸は腫れものを扱うように放置されたのだが、クジ引きで勇者を選ぶという風習だけが残されてしまった。
触らぬ神にたたりは無いと放置された魔大陸にあった村も見捨てられ、いつしか絶望の村と呼ばれるようになった。
そして現在。
絶望の村に住む一人の少女「みつき」
彼女は勇者になりたがっていた祖父と魔王が治めるお城の城下町にあるお総菜屋で働く母と共に平和に暮らしていた。
そんな彼女の家に汚い箱が置かれているのを祖父が見つけた。
絶望の村はアロン王国の領土なのでクジ引きの噂は流れてきていた。
祖父は「噂のクジ引きが家にも来た」とはしゃいでいたが、みつきはそんなモノに興味はなかった。
だが、祖父が村長だからその孫も引くという訳の分からない理由で無理やりクジを引かされたのだった。
そこには……。
この話はクジ引きで選ばれたみつきがやがて女神と呼ばれるようになるまでの物語です。
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