ことばの森と、しずかな石
小学四年生の桝井ミトは、クラスいちのおしゃべりだ。じいちゃんちの土間の冷たさも、スイカを切る音も、いくらでも話せる。それなのに原稿用紙に向かうと、書けるのは「たのしかったです。」の七文字だけ。
宿題を前にうなったまま眠ったその夜、ミトは不思議な森で目を覚ます。葉の一枚一枚がひらがなの形をした、ことばの森。案内人だという鉛筆頭の小人・コクーは、森の奥へ行けば言葉が見つかると言う。
けれど、森のはずれには近づこうとしない。灰色に開けたその一角には、言葉が石になって、几帳面に並んでいた。しかも訪れるたび、石は一つずつ増えている。
もやの沼、つなぎの渓谷、見立ての庭。ミトは森で少しずつ言葉の使い方を覚えていく。覚えた技で、初めて人に褒められる。そして、初めて人を傷つける。
石に彫られた几帳面な字を、ミトは知っていた。毎日、教室で見ている字だった。
言葉は、正しく並べるだけでは届かない。
書けない女の子と、書きすぎて黙ってしまった男の子の物語。
宿題を前にうなったまま眠ったその夜、ミトは不思議な森で目を覚ます。葉の一枚一枚がひらがなの形をした、ことばの森。案内人だという鉛筆頭の小人・コクーは、森の奥へ行けば言葉が見つかると言う。
けれど、森のはずれには近づこうとしない。灰色に開けたその一角には、言葉が石になって、几帳面に並んでいた。しかも訪れるたび、石は一つずつ増えている。
もやの沼、つなぎの渓谷、見立ての庭。ミトは森で少しずつ言葉の使い方を覚えていく。覚えた技で、初めて人に褒められる。そして、初めて人を傷つける。
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