(完結)初恋なのでしょ? どうぞあちらに乗り換えあそばせ!
私の夫はティエリー伯爵家の当主ロマン。結婚して17年になり、長男レオナールは16歳で長女エメリーヌは14歳。二人とも良い子に育っており子供達にはなんの不満もない。
不満があるとしたら夫にある。それは結婚当初から言われてきた言葉。
「本当に好きな相手とは一緒にはなれないのだな。人生とは悲しいものだ」
まるで被害者のようにそう言い続けた。私はバナール伯爵家の長女イザベラで、夫とは政略結婚だ。貴族の結婚なんて家同士のものだから、本当に好きな異性と結婚できるのは希だ。私にだって好きな人や憧れていた男性はいるけれど、文句ひとつ言わずロマンと結婚したのに。
何かというと初恋の女性モニカ様と比較されるのにはうんざりだった。モニカ様はマリヴォー子爵家の次女で隣国のレセップス伯爵家に嫁いだ女性だ。夫と同級生で当時はお互い恋心があったと聞いている。王立貴族学園ではマドンナ的存在だったらしい。
夫より3歳年下の私は、婚約当時は確かにモニカ様のような色香はなかった。だから、夫の言葉も我慢していたが、連れ添って17年にもなるのに未だにモニカ様の話がでるのには閉口した。
ある日、モニカ様の連れ合いが亡くなり、こちらの国に移住してくるという噂を聞いた。レセップス伯爵家はご子息が継ぎ、友人の多い祖国で余生を過ごすという計画のようだった。
同窓会を兼ねたパーティが開かれることになり、もちろんロマンも招待された。
「あぁ、麗しのモニカに会えるなんて夢のようだよ。もしかしたら今夜は戻らないかもしれない。わたしたちの子供ももう大きい。お互いが好きなように生きて余生を満喫しないか?」
そう言い放ち夫はいそいそとパーティに向かった。これって浮気宣言かしら? だったら私は・・・・・・
※異世界ざまぁ。現代日本的表現や機器や調味料・料理などでてくる場合あり。
※ゆるふわ設定ご都合主義です。
不満があるとしたら夫にある。それは結婚当初から言われてきた言葉。
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