ライオン夫婦と獣人薬~夫婦逆転?~
原田トキオ、25歳。ペットショップで働く彼には、誰にも信じてもらえない秘密があった。
それは、動物の言葉がわかること。
幼い頃から犬や猫、鳥たちの声が普通に理解できたが、そんな話をしても信じてもらえず、気味悪がられるばかり。トキオはその力を隠し、孤独を抱えながら生きてきた。
ある夜、仕事帰りに山のふもとを歩いていたトキオは、草むらの奥から男女の言い争うような声を聞く。
「とりあえず逃げてきたけど……腹減った」
「あんたが自由になりたいとか言うから、ついてきたけど……」
不審に思って近づいたトキオが目にしたのは、なんと動物園から脱走したライオンの夫婦だった。
オスは空腹に苛立ち、メスは呆れながらも状況をどうにかしようとしている。そんな二頭の会話が、トキオにははっきりわかった。
そしてライオンたちもまた、自分たちの言葉が通じる人間の存在に驚く。
空腹のまま見知らぬ土地をさまようライオン夫婦を放っておけず、トキオは「食べ物を探してくるから、ここで隠れていて」と告げ、その場を離れる。
だが夜の山道で、ライオンが満足できるような食べ物など簡単に手に入るはずもない。
途方に暮れながら歩いていると、トキオはふと足を止める。
――あれ? こんな所に店なんかあったっけ?
そこには、古びた薬局のような店がひっそりと建っていた。
不思議な店との出会いが、トキオとライオン夫婦の運命を大きく変えていく。
檻の中ではない世界を望んだライオンのオス。そんな夫についてきた、狩りを担ってきたメス。
そして、動物の言葉がわかるせいで人から浮いてきた青年。
それぞれの孤独が交わる時、ありえない運命が動き出す。
これは、ライオン夫婦が人間として生きることになる、不思議で少し切ない物語。
それは、動物の言葉がわかること。
幼い頃から犬や猫、鳥たちの声が普通に理解できたが、そんな話をしても信じてもらえず、気味悪がられるばかり。トキオはその力を隠し、孤独を抱えながら生きてきた。
ある夜、仕事帰りに山のふもとを歩いていたトキオは、草むらの奥から男女の言い争うような声を聞く。
「とりあえず逃げてきたけど……腹減った」
「あんたが自由になりたいとか言うから、ついてきたけど……」
不審に思って近づいたトキオが目にしたのは、なんと動物園から脱走したライオンの夫婦だった。
オスは空腹に苛立ち、メスは呆れながらも状況をどうにかしようとしている。そんな二頭の会話が、トキオにははっきりわかった。
そしてライオンたちもまた、自分たちの言葉が通じる人間の存在に驚く。
空腹のまま見知らぬ土地をさまようライオン夫婦を放っておけず、トキオは「食べ物を探してくるから、ここで隠れていて」と告げ、その場を離れる。
だが夜の山道で、ライオンが満足できるような食べ物など簡単に手に入るはずもない。
途方に暮れながら歩いていると、トキオはふと足を止める。
――あれ? こんな所に店なんかあったっけ?
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