花の秘剣 ―矢倉新之丞 稽古録手控え―
月浜藩は畿内近江に二郡、河内に一郡、あわせて1万4千石を領して成る小藩に過ぎないが、それでも近隣に知られた「自慢」がある。
「花の秘剣」で知られた晴願流の剣客、名人・小菅甚助その人こそがそれで、彼の道場では、剣名を慕って藩の内外から集った門弟たちが、日々、剣の腕を競っていた。
これは、そんな小菅道場で師範代をつとめる若者「矢倉新之丞」が稽古録……をいずれ書くために書き留めている手控え。
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