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カラオケ♪

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「ねえ、ねえ。今の人かっこよくなかった?」
「え、ごめん見てなかった。どの人?」
「後ろ後ろ!」
「あー後ろ姿しか見えないけどめっちゃかっこいいね!」

「LINE交換とかアドレス教えてくれないかな」

「モデルかなんかかな」

「声かけたいなぁ」

「襲いたい」

「捕まってもいいからヤリたい」

僕は今、駅を歩いている。こんな時間に歩いている男性は僕くらいで他に歩いているのは女ばかりだ。

ジーパンと白のパーカーというラフな格好で歩いているが、通り過ぎる人たち(女性達)はもれなく僕を二度見いや三度見する。
そして口々に僕についての感想を言う。
後半になると犯罪者予備軍みたいなこと言ってる人いたけど…

いや~でも、いい気分だね(恍惚)
その中には

「君ーかっこいいね。おねーさんとお茶しない?」

「きみひとりぃ?おねーさんと遊ばない?」

「私、モデルスカウトの者なんだけど、きみ、そういうの興味ない?とりあえず、これ、私の名刺。気が向いたら連絡してください!」

「ど、どうぞ!つまらないものですが(ティッシュ配りのおねーさん)」

と臆せず僕に声をかけてくる人もいた。
僕はそれに対してこう答えている
(上と対応しています)

「そういうのは、自分の姿を鏡で見てから誘いなよ」

「誰がお前みたいな、巨乳女と遊ぶか!気持ち悪い!」

「そう言うの興味無いんで。(名刺ビリビリ、ポイッ)」

「…スタスタ(素通り無視)」

いや、外でも隼人くんは平常運行ですよ。
皆さん僕の発言に対してフリーズしておられました。
スカウトの人とか顔を真っ赤にしてプルプルしてたよ。
ひゃはあああああ!!

さて、僕はどこに向かっているのか?
カラオケだよ。

僕は前の世界でもカラオケは好きな方でちょくちょくスカウトもされたことはあるんだ(自慢)
めんどくさかったから全部断ったけどね。

多分この世界で歌手とかになったら一瞬でトップになれるんじゃないかな?

この世界で男の歌手とかテレビで見たの一回くらいだし。
でも、その人めっちゃ太ってて、あんまり上手くなかったし。
多分僕の方が上手いと思う。悪いけど。

さて、話を戻して、
カラオケに向かっているんだ!
母さんからサボりの許可をもらって、一番したいことを考えたらこれだった。思いっきり歌って気分を晴らしたかったからだ。

え?何?
イケメンでしかも歌うまなんてふざけるな?
はは、みんなにも僕には無い良いところが絶対あるよ!あるよね…?

お、ここだな!僕はネットで周辺の評価が高いカラオケの店を探すと、ここが一番いいみたいだったのでここに決めた。

店に入るとバイトの人と思われる若い女性がこちらをだるそうに見たと思えば目を見開き飛んできた。

「い、い、いらしゃいませっ!店内をご利用ですか?!」

いや、ファーストフード店じゃないんだから、外はないでしょうよ。なんだ、外でカラオケって

まあ、とりあえずそこはスルーして

「ネットで男性用個室ありのカラオケって聞いたんですけど」

「は、はい!そうです!」

「じゃあ、とりあえず3時間コースでお願いします。ドリンクバー付きで」

「わ、わかりました!男性用のボックスは一番奥です。部屋のドアは2個の鍵を手動でかけていただくことになりますのでよろしくお願いします。こちらが鍵とコップになります。精算は最後になりますので、ごゆっくりお楽しみくださいませ!」

鍵とコップを渡される。
その時に、いやに手をサワサワされたがまあ、今のテンション爆上がりの僕には些細なことだ。
カウンターの横にあるドリンクバーでメロンソーダを入れ、意気揚々と店の奥に歩いていった。

カチャンと男性用ボックスのドアを開けるとそこは天国だった。
カラオケ機は勿論のこと人だめクッション、テレビ、ゲーム機、パソコン、簡易ベットまであった。しかも部屋は十一畳くらいの広さで全然狭さを感じなかった。空調もきいていて、過ごしやすすぎる。
僕、ここに住んでもいい。

早速、カバンをソファーに下ろして、テーブルの上にあるマイクを取り、横にある液晶を操作して…

さあ、歌うぞーーーーー!
音楽が流れ始める

「―報酬は入社後平行線で、東京は愛せど何にもない♪――――そしたらベンジーが肺に写ってトリップぅ♪【著作権の関係上もう限界です】」

さて、二曲目はー
「時には誰かを知らず知らずうちに傷つけてしまーたりーーーーーまっさらに生まれ変わって人生一からーーー【著作権】♪」


さて三曲目はー
「あーテレビも無えーラジオも無えー車もそれほど走って無ェー、バーも無ぇー」
(ガチャッ)
「ずいぶんと楽しそうですね。早乙女くん」

「………」

ドアが開く音がして背後から女性の声が聞こえる。
その瞬間、驚いて心臓が飛び出しそうになった。

僕はギギギッと首を後ろに回す。
そこには眼鏡をかけたスーツ姿の女性が立っていた。
えーと、この人誰だ?…僕の名前を知っている?

「あら、早乙女くん私が誰だかまだわからないのですか?じゃあ…これでどうでしょう。」
「…今日は体調が悪かったのでは無いですか?早乙女様?」

その女性は眼鏡を外し、僕に再びさっきとは違う口調で話しかける。






……あ、この人いつも僕を送ってくれる人…ということは…校長先生だああああああああああああ!
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