西伊豆の廃屋から東京のタワマンへ。美しき食人鬼たちは、人間を喰らって愛を成す

【美しき兄妹、実は食人鬼】

西伊豆の心中屋敷に踏み込んだ者たちは、二度と帰ってこない。 そこにいたのは、か弱い兄妹ではなく、獲物を待つ「捕食者」だった。

精神病棟から帰還した妹・世璃(より)は、死んだ姉の皮を被った「人食いの怪物」。 足の不自由な兄・静(しずか)は、妹に「肉」を与える冷徹な支配者。

遺産目当ての叔父、善意を押し付ける教師、興味本位の配信者、そして因習に縛られた自警団……。 「弱者」を狩りに来たつもりの愚か者から順番に、今日の献立が決まっていく。

それは食事であり、共犯の儀式であり、二人だけの愛の証明。

西伊豆の廃屋から、東京のタワーマンションへ。 最上階を新たな「城」にした二人の、残酷で美しい捕食記録が幕を開ける。

「お兄様、今日のごはんはなあに?」 「――ああ、今日はとても元気のいい『獲物』が届いたよ」
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