ぼくは、ちょっとだけあったかくできる

極寒の村で暮らす少年・ユノ。
彼には、ひとつだけできることがあった。

——ほんの少しだけ、あったかくすること。

凍えた小鳥に触れ、
冷えた手を温め、
誰かのぬくもりを取り戻す。
それだけの、ささやかな力。

けれどある日。
その“やさしさ”は、ひとりの兵士を倒した。

気づかないまま使った力。
助けたはずの手。
それでも、確かに人は動かなくなった。

「ぼく、なおしただけだよ」

守るために使うのか。
それとも、壊してしまうのか。

雪に閉ざされた村で、
ひとりの少年が選ぶ“ぬくもり”のかたちとは——。

これは、やさしさの境界線を描く、静かなファンタジー。
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