奏で煌めく劣情花
【掻き乱されて、溺れる。その熱に。抗えない衝動の奔流に】
帝都から遠く離れた辺境。帝国随一の屈強さを誇る騎兵連隊に新たな連隊長が赴任した。
陸軍大尉、土岐奏人。癖のない濃茶色の髪、涼やかな黒瞳、怜悧さが前面に出た整った顔立ちの二十六歳。
突然死した高齢の隊長の後釜としてやってきた土岐大尉は、お高くとまっている(ように見える超然とした)態度から、腰掛けのつもりで赴任してきた上級貴族のお坊ちゃん、と現地の兵士たちから煙たがられている。
第一分隊長の花宮煌も奏人を嫌う一人だったが、ある日、上官と部下ではない、全く別の関係に身を置くことになる。
「いいか? 今後、俺には絶対服従だぞ。従順な奉仕者でいれば痛めつけたりはしない。あんた、無駄に綺麗な顔してるから、穢し甲斐があるのは否めないが」
涼やかな夜風が吹く仲秋。輝く望月が立会人となって、彼と彼の物語が始まった。
☆.。.*・☆.。.*・☆.。.*・☆.。.*☆.。.*・☆.。.*・☆
『彼の熱と、彼の衝動。』『煌星から愛をこめて』の番外編。表紙は香咲まりさん作画
帝都から遠く離れた辺境。帝国随一の屈強さを誇る騎兵連隊に新たな連隊長が赴任した。
陸軍大尉、土岐奏人。癖のない濃茶色の髪、涼やかな黒瞳、怜悧さが前面に出た整った顔立ちの二十六歳。
突然死した高齢の隊長の後釜としてやってきた土岐大尉は、お高くとまっている(ように見える超然とした)態度から、腰掛けのつもりで赴任してきた上級貴族のお坊ちゃん、と現地の兵士たちから煙たがられている。
第一分隊長の花宮煌も奏人を嫌う一人だったが、ある日、上官と部下ではない、全く別の関係に身を置くことになる。
「いいか? 今後、俺には絶対服従だぞ。従順な奉仕者でいれば痛めつけたりはしない。あんた、無駄に綺麗な顔してるから、穢し甲斐があるのは否めないが」
涼やかな夜風が吹く仲秋。輝く望月が立会人となって、彼と彼の物語が始まった。
☆.。.*・☆.。.*・☆.。.*・☆.。.*☆.。.*・☆.。.*・☆
『彼の熱と、彼の衝動。』『煌星から愛をこめて』の番外編。表紙は香咲まりさん作画
あなたにおすすめの小説
首輪の契約
地下の尋問室に、時間はない。
窓のない灰色の部屋で、敵国の工作員が一人拘束されていた。
名も経歴も偽り。
ただ腕がいい、それだけは確かな男。
尋問に対し、彼は白状ではなく提案を持ち出す。
「白状はしない。だが、契約ならする」
敵国のスパイと、帝国の長官。
交渉は奇妙な形で成立する。
「名前は」
「リュシアン」
その日、移り気な猟犬と飼い主の関係が始まった。
やがて、契約は裏切りへ。
裏切りは、追跡へ。
追跡は――執着へと変わっていく。
登場人物
フェリクス・ハルトマン
帝国軍情報部の長官。
感情を見せない軍人。静かな視線で相手を見定める。
リュシアン・モロー
敵国の諜報員。
捕虜の立場でありながら、白状ではなく契約を持ち出す男。
軽口と皮肉を武器にする。
役立たずの魔獣係は辞めました――引き取った軍狼二頭と、無愛想な将軍が俺にだけ甘すぎる
「係も獣も替えが利く」
軍狼の飼育不備を訴え、傭兵団を解雇されたタリク。
手持ちの金で引き取ったのは、痩せたモクと、前脚を傷めたサビだった。
二頭を連れて辿り着いた辺境で、新しい仕事を持ちかけてきたのは、大柄で無愛想な将軍ブルーノ。
恐ろしい顔に似合わず、知らないことは素直に尋ね、獣を休ませる判断にも耳を貸してくれる。
ところが、この将軍。
盤遊びで負ければ「もう一回」と譲らず、俺の休みを待って町へ誘ってくる。
「俺の用だ。仕事ではない」
狼の頭を撫でるのとは違う気持ちで、その髪に触れたくなった。
恋人になってからは、帰りたくない、一緒に暮らしたいと、俺にだけ甘い顔を見せてくる。
一方、係も獣も使い捨ててきた元団長は、守備契約の適性審査で飼育と指導の不備を露呈させていく。
今さら「獣だけでも返せ」と言われても、手放すつもりはない。
実直な軍狼係×無愛想で負けず嫌いな将軍。
二頭との賑やかな暮らしと、成人男性二人だけの甘い時間を描く、異世界ファンタジーBL。
上司、快楽に沈むまで
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。