喪失迷宮の続きを

 英雄は地下迷宮に引きこもる。冒険は終わったはずだった――。

 英雄ウォレスは仲間と共に、王女をさらった魔王を倒した。究極の迷宮、『喪失迷宮』の奥、地下六百五十四階で。さらに、隠された最深部に現れた、災厄をもたらす邪神。これをも地下七百二十四階で討ち果たした。
 それが九年前のこと。

 以来、ウォレスは一人引きこもる。喪失迷宮地下七百二十四階で。誰もウォレスの望む褒賞を与えられなかったから――さらなる敵と冒険を、という褒賞を――。

 もはや地上に出ることはなく、無意味に地の底で魔物を狩り、酒を呑んでは酔い潰れ。ウォレスは無為に過ごしていた。

 だがそこへ現れる、初恋の女性――死んだはずの。
 彼女は生前のように奔放にウォレスをからかい、奇妙な依頼を残して去った。

 彼女は死んだ彼女なのか? なぜ生きてここにいる? だいたい、並みの人間がやって来られるわけもない地下迷宮の底で。
 彼女が残した依頼、そして地上から訪れた、かつての仲間がもたらした王宮からの依頼。それらは何か関係が? 

 終わってしまった冒険と、旅し尽くした迷宮と。
 これから始まるのはその続きか、あるいは――。
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