私自体
幼い頃からピアノを習っているせいで、合唱コンクールのピアノ伴奏は、いつも私の担当になっていた。
「よかったよな、あいつ」
普段ほとんど会話をしない男子までもが、舞台を降りた私を指して話しているのが聞こえる。
それが伴奏のことじゃないことは、すぐわかった。
彼らが口々に「よかった」と言っていたのは、ペダルを踏むたびに揺れるドレスの裾や、少しだけ開いた胸元のことだ。
制服姿の私は、いつも群衆の中の一人にすぎない。
それなのに、晴れの舞台でステージ衣装を着ると、私の外見的な部分、ただの「飾りの部分」だけがクローズアップされる。
年頃の男子がそこばかりに目が行くことなんて、私だって知っている。
1年生のとき、片想いしていた男の子が、別のクラスの女子のポニーテールをじっと見つめていた。
私はショックを受けるでもなく、ただその様子をぼうっと観察していた。
「結局、人は中身なんか見ないのかも」-いつしかそんな考えが、私の心に深く沈んでいた。
「よかったよな、あいつ」
普段ほとんど会話をしない男子までもが、舞台を降りた私を指して話しているのが聞こえる。
それが伴奏のことじゃないことは、すぐわかった。
彼らが口々に「よかった」と言っていたのは、ペダルを踏むたびに揺れるドレスの裾や、少しだけ開いた胸元のことだ。
制服姿の私は、いつも群衆の中の一人にすぎない。
それなのに、晴れの舞台でステージ衣装を着ると、私の外見的な部分、ただの「飾りの部分」だけがクローズアップされる。
年頃の男子がそこばかりに目が行くことなんて、私だって知っている。
1年生のとき、片想いしていた男の子が、別のクラスの女子のポニーテールをじっと見つめていた。
私はショックを受けるでもなく、ただその様子をぼうっと観察していた。
「結局、人は中身なんか見ないのかも」-いつしかそんな考えが、私の心に深く沈んでいた。
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】誕生日に花束を抱えた貴方が私にプレゼントしてくれたのは婚約解消届でした。
山葵誕生日パーティーの会場に現れた婚約者のレオナルド様は、大きな花束を抱えていた。
会場に居る人達は、レオナルド様が皆の前で婚約者であるカトリーヌにプレゼントするのだと思っていた。
あのひとのいちばん大切なひと
キムラましゅろうあのひとはわたしの大切なひと。
でも、あのひとにはわたしではない大切なひとがいる。
それでもいい。
あのひとの側にいられるなら。
あのひとの役にたてるなら。
でもそれも、もうすぐおしまい。
恋人を失ったアベルのために奮闘したリタ。
その恋人がアベルの元へ戻ると知り、リタは離れる決意をする。
一話完結の読み切りです。
読み切りゆえにいつも以上にご都合主義です。
誤字脱字ごめんなさい!最初に謝っておきます。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
※表紙はあさぎかな先生(@yatusiro1)にコラージュアートを作成していただいたものです。
(*´˘`*)シアワセデスッ