『巡査と質屋の共犯目録 灰色の正義について』

死者の声は、証拠にならない。
それでもそこには、真実の欠片が眠っている。

工業都市ルクスボロー市警。
ラズロは、証拠保管室という地下倉庫で、
既に終わった事件の調書や証拠品を整理するだけの末端巡査だ。
捜査権限はなく、正義を振りかざす立場でもない。

ある日、「自殺です。調査は終わりました」
そう告げられながらも、「夫は自殺なんてしない」と訴え続ける未亡人の姿が、妙に心に引っ掛かった。

「美人の不幸は、見ていられない」

好奇心と同情心に背中を押され、
ラズロは噂に聞く“死者の声を聞く質屋”を訪ねる。

そこにいたのは、不機嫌で神経質そうな美貌の青年だった。

「用がないなら帰れ。俺には関係ない」

彼は、自らの力を否定し、真実に触れることを拒んでいた。

死者の声は、証拠にならない。
真実は、必ずしも人を救わない。

それでも誰かを救うためだと、言い訳をしながら。

これは、正義を守らない警察官と、
真実を売らない質屋が手を組んでしまった、共犯の記録である。




カクヨム、なろうにも掲載してます。

表紙はパブリックドメイン画像を使用。
→ https://lit.link/alittledreamより。

作成には【装丁カフェ】様を活用させて頂きました。
→ https://pirirara.com
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