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第2章 ギルド登録編
29話 テンプレはっ!?
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「ほっと!」
本当なら公爵令嬢として男の人にエスコートされながら優雅に馬車から降りなきゃダメなんだけど……
「ふふん!」
今の私はルスキューレ公爵家の御令嬢にして不本意ながら第一王子であるセドリック・エル・イストワールの婚約者たるソフィア・ルスキューレじゃなくて! これから冒険者登録を行うただのソフィアなのだ!!
それにっ! 長年の目標である冒険者になるために……それこそ、前世の記憶を思い出す前からの。
Sランク冒険者であるエレンお兄様やAランク冒険者であるアルトお兄様の話を初めて聞いた日から憧れ続けてる夢でもある冒険者になるために冒険者ギルドに来たのだ!
ちょっとくらい、はしゃいじゃっても何も問題はない!
そもそも、ここにいるのは私と付き添いのお兄様達に白竜王たるルミエ様のみ。
ファナを筆頭に私の公爵令嬢らしからぬ言動を嗜める者は誰もいないのである!!
「さて、お兄様! 行きますよ!!」
私に続いて馬車を降りたお兄様達を引き連れ、腕には猫ちゃんサイズのルミエ様を抱いて優雅かつカッコよく冒険者ギルドの扉を開け放つ!!
まぁ、自動ドアだから勝手に扉は開くんだけど……
事前に知ってたから別に驚きはしないけど。
前世の記憶によればこの世界はまさしく剣と魔法のファンタジー! なのに冒険者ギルドの扉がガラス張りの自動ドアって……
それに、この世界にはギルドの自動ドアみたいに不自然に突出してる技術やら文化やらが多数ある。
前世の記憶にあるラノベとかから推測するに、多分過去に私みたいに前世の記憶を思い出した人とか、違う世界からこの世界に転生してきた人がいたんだろうけど……まっ! 今はそんなことはどうでもいい!!
「ふふっ」
見てる、見てる!
やっぱり前世の記憶にあるテンプレ通り、ギルドに入ってきた私を見定めるように冒険者達がこっちを見てる!!
ということは……むふふ! さぁ、三下冒険者よ! いつでも絡んでくるがいいっ!!
本来ならば、公爵令嬢たるこの私に冒険者が絡んでくることなんて有り得ない。
下手をすれば……というかまず確実に高位貴族の御令嬢に無礼を働いて、怪我でも負わせれば重罪に問われることになる。
高位の冒険者ほど貴族との付き合いがあったりして、礼儀作法とかも意外としっかりと弁えてるらしいし。
下位の冒険者なら面倒ごとに巻き込まれるのを恐れて貴族に絡むような真似はまずしない。
だがしかしっ! 冒険者になるっていうのにドレスなんかで来るハズもなく、今の私はこの5年間でもやはお馴染みとすらいえる戦闘服!
まぁ、さすがに私も成長してるからこれで10代目だけど。
とにかく! 冒険者ギルドに公爵令嬢である私のことを知ってる人がいるとは思えないし。
ドレス姿ならともかく、今の私が公爵令嬢だとは誰も思うまい!
「むふっ!」
高圧的に絡んできた三下冒険者を圧倒して、あの美少女は何者だっ!? ってなるところから私の最強伝説が幕を開け……
「お待ちしておりました。
Sランク冒険者〝剣帝〟エレン・ルスキューレ様、Aランク冒険者〝賢者〟アルト・ルスキューレ様、そしてソフィア様。
どうぞこちらへ、ギルドマスターのもとにご案内させていただきます」
「えっ?」
綺麗な女性が柔らかく微笑みながら一礼すると同時にギルド内にどよめきが起こる。
「お願いします」
「わざわざ悪いな」
「いえ、お2人がギルドに出向かれるとなると当然です。
それに、このように可愛らしいお嬢様をむさ苦しくてガサツな冒険者に近づけるわけにはまいりませんので。
では、どうぞこちらへ」
ちょ、ちょっと待って!!
「えっ、あの」
「はい、ソフィー行くよ」
「わっ!」
ちょっ! アルトお兄様っ!?
さすがに人前で抱っこされるのは恥ずかしいんですけどっ! ていうか、テンプレはっ!? 三下冒険者はどこにっ!?
本当なら公爵令嬢として男の人にエスコートされながら優雅に馬車から降りなきゃダメなんだけど……
「ふふん!」
今の私はルスキューレ公爵家の御令嬢にして不本意ながら第一王子であるセドリック・エル・イストワールの婚約者たるソフィア・ルスキューレじゃなくて! これから冒険者登録を行うただのソフィアなのだ!!
それにっ! 長年の目標である冒険者になるために……それこそ、前世の記憶を思い出す前からの。
Sランク冒険者であるエレンお兄様やAランク冒険者であるアルトお兄様の話を初めて聞いた日から憧れ続けてる夢でもある冒険者になるために冒険者ギルドに来たのだ!
ちょっとくらい、はしゃいじゃっても何も問題はない!
そもそも、ここにいるのは私と付き添いのお兄様達に白竜王たるルミエ様のみ。
ファナを筆頭に私の公爵令嬢らしからぬ言動を嗜める者は誰もいないのである!!
「さて、お兄様! 行きますよ!!」
私に続いて馬車を降りたお兄様達を引き連れ、腕には猫ちゃんサイズのルミエ様を抱いて優雅かつカッコよく冒険者ギルドの扉を開け放つ!!
まぁ、自動ドアだから勝手に扉は開くんだけど……
事前に知ってたから別に驚きはしないけど。
前世の記憶によればこの世界はまさしく剣と魔法のファンタジー! なのに冒険者ギルドの扉がガラス張りの自動ドアって……
それに、この世界にはギルドの自動ドアみたいに不自然に突出してる技術やら文化やらが多数ある。
前世の記憶にあるラノベとかから推測するに、多分過去に私みたいに前世の記憶を思い出した人とか、違う世界からこの世界に転生してきた人がいたんだろうけど……まっ! 今はそんなことはどうでもいい!!
「ふふっ」
見てる、見てる!
やっぱり前世の記憶にあるテンプレ通り、ギルドに入ってきた私を見定めるように冒険者達がこっちを見てる!!
ということは……むふふ! さぁ、三下冒険者よ! いつでも絡んでくるがいいっ!!
本来ならば、公爵令嬢たるこの私に冒険者が絡んでくることなんて有り得ない。
下手をすれば……というかまず確実に高位貴族の御令嬢に無礼を働いて、怪我でも負わせれば重罪に問われることになる。
高位の冒険者ほど貴族との付き合いがあったりして、礼儀作法とかも意外としっかりと弁えてるらしいし。
下位の冒険者なら面倒ごとに巻き込まれるのを恐れて貴族に絡むような真似はまずしない。
だがしかしっ! 冒険者になるっていうのにドレスなんかで来るハズもなく、今の私はこの5年間でもやはお馴染みとすらいえる戦闘服!
まぁ、さすがに私も成長してるからこれで10代目だけど。
とにかく! 冒険者ギルドに公爵令嬢である私のことを知ってる人がいるとは思えないし。
ドレス姿ならともかく、今の私が公爵令嬢だとは誰も思うまい!
「むふっ!」
高圧的に絡んできた三下冒険者を圧倒して、あの美少女は何者だっ!? ってなるところから私の最強伝説が幕を開け……
「お待ちしておりました。
Sランク冒険者〝剣帝〟エレン・ルスキューレ様、Aランク冒険者〝賢者〟アルト・ルスキューレ様、そしてソフィア様。
どうぞこちらへ、ギルドマスターのもとにご案内させていただきます」
「えっ?」
綺麗な女性が柔らかく微笑みながら一礼すると同時にギルド内にどよめきが起こる。
「お願いします」
「わざわざ悪いな」
「いえ、お2人がギルドに出向かれるとなると当然です。
それに、このように可愛らしいお嬢様をむさ苦しくてガサツな冒険者に近づけるわけにはまいりませんので。
では、どうぞこちらへ」
ちょ、ちょっと待って!!
「えっ、あの」
「はい、ソフィー行くよ」
「わっ!」
ちょっ! アルトお兄様っ!?
さすがに人前で抱っこされるのは恥ずかしいんですけどっ! ていうか、テンプレはっ!? 三下冒険者はどこにっ!?
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