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第3章 冒険者登録編

43話 ダンジョンへっ!

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「王都の近郊に迷宮ダンジョン、ですか?」

「……」

 ん?  グレンさんが迷宮の話をした途端にルミエ様がなんともいえないような微妙な表情に……!
 もしかして、迷宮に嫌な思い出でもあるのかな?

「昨日の夜中に人知れずいきなり迷宮が出現したようでな、早朝になって迷宮の存在に気付いた王都の衛兵達が大騒ぎ。
 おかげで俺も夜明けと同時に駆り出されて……さっき国から正式に調査依頼がギルドに出されたって訳だ」

 それは……まぁ、なんというか、お疲れ様でした。

「まぁ、そんな訳で今からBランク以上の冒険者全員に緊急依頼を出すんところなんだよ。
 報酬は参加だけで金貨50枚」

「おぉ~」

「ははは、さすがは公爵令嬢、この程度じゃあそこまで驚かないか。
 一応金貨50枚で500万円なんけどな……」

 いやいや、十分に驚いていますとも!!
 この世界の通貨単位はなぜか前世の私が住んでいた国の通貨と同じ円が使われてる。
 これも以前に転生とか、転移とかでこの世界に来た人の影響なんだろうけど……

 前世の世界みたいに紙幣はまだ浸透してなくて。
 下から順に鉄貨、銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨とあって、各々10枚で一つ上の硬貨と同じ額になる。

 鉄貨1枚で10円、銅貨は100円、銀貨は1000円、大銀貨は1万円、金貨は10万円、大金貨は100万円。
 そして白金貨は1枚1000万円として使われる。

 まぁ、ぶっちゃけ白金貨なんて大貴族とか国同士の決済とかでしか使われないけど。
 依頼を受けるだけで報酬が金貨50枚、つまりはグレンさんのいう通り500万円!  これは結構破格の報酬じゃないかな?

「あとは持ち帰った情報次第って感じだな。
 もちろん、作成したマップを高額で買い取る事もできる。
 緊急依頼って言っても強制ってわけじゃないから受けるも受けないも2人の自由だがどうする?」

「ルミエ様!  どうしますか?」

「私はどっちでも良いわよ?
 ソフィーの判断に任せるわ」

 むっ、本当に私が決めちゃっていいの?
 迷宮になにか嫌な思い出があるんじゃ……  

「ふふふ、大丈夫よ。
 ちょっと思うところがあっただけで、別に迷宮に嫌な思い出なんてないから」

「わかりました」

 となれば、あとは私の判断次第だけど……

「う~ん」

 迷宮ダンジョンとは、尽きることのない豊富な資源があったり、金鉱や銀鉱とかの鉱山や宝石が取れる鉱山があったりと、その存在価値は計り知れず。
 前世の記憶にあるゲームやライトノベルと同様に、迷宮に住う魔物達は一度倒しても時間が経てば自動的にリポップするから魔物が尽きることもない。

 まぁ、ゲームと違うのは迷宮内で魔物を倒してもアイテムになってドロップするわけじゃないから自分で解体する必要があるって点だけど。
 そこはギルドの総帥と大賢者たるマリア先生が共同作成して、ギルドが貸し出してる内部が拡張された違う空間に繋げられてるマジックバックに収納すれば問題ないし。

 そしてなにより、ダンジョン攻略の醍醐味!
 一番の魅力は、迷宮内で宝箱とかボス戦の報酬として獲得できる金銀財宝に強力なアイテムの数々!!
 冒険者にとって迷宮ダンジョンとは、まさしく宝の山っ!

 まぁ、そのぶん危険も大きいわけだけど。
 新たに出現したダンジョンで手付かずの宝の山が眠ってる可能性が高いわけだし、ギルドから出される報酬も悪くない。
 恐らく依頼を出されたBランク以上の冒険者のほとんどがこの緊急依頼を受けるハズ!

「ふっふっふ~」

 けど幸いなことにグレンさんはギルドに連絡が入って、今から緊急依頼を提示しに行こうとしてたところでミレーネさんに拉致……もとい、呼ばれて私達の話を聞きに来たらしい。
 つまり!  この緊急依頼はまだ誰も受けていないということっ!!

「その緊急依頼!  受けさせていただきますっ!!」

「了解、受注手続きはこっちでやっておく。
 期間は2週間、期間以内ならいつ調査に行っても構わないが気を付けるんだぞ」

「ルミエ様もいらっしゃいますし、大丈夫だとは思いますが……どうか、お気をつけて」

「はい!  では、今から行ってきますね!!」

「ああ……ん?  今から?」

 むふふっ!  他の冒険者達がまだ依頼を受けていないというアドバンテージをいかさなければっ!!

「えっと……ソフィーさん、準備は……」

 ふっふっふ~、私はそこらの新人冒険者とは違うのだ!!
 準備の面においても抜かりはないっ!!

「亜空庫に全部入れてるので問題ありません!
 じゃあルミエ様、行きましょう!」

「ふふふ、ええわかったわ」

「では、失礼します」


 パチンッ!


 グレンさんとミレーネさんに綺麗にお辞儀してから指を鳴らすと同時に……一瞬にして視界が切り替わった。
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