17 / 143
花を飾る楽しみ
1
しおりを挟む
瑞の診察と薬のおかげで風邪はすぐに治った。
長引かなくてホッとした。
あれから、一度だけ彼氏からメールがあったけど、体調のことには全く触れてなかった。
『いつ会える?』
たった1文だけの寂しいメールに、私は愕然とした。
会ってどうするの?
お金を貸してほしいだけなら、もう二度と誘わないでよ。
……このままじゃ苦しいよ。
あんな人だったと見抜けなかった自分が甘かったと、今さら後悔しても仕方ない。彼とのことは、ちゃんと考えないといけないと……本気で思った。
私は、支度を済ませて仕事に向かった。
爽やかで気持ちの良い朝。
重苦しい気分は、ひとまず胸の奥の方にしまい込んだ。
***
「ラ・フルール」に着いて、店の裏に自転車を止めた。
「おはようございます」
「賢人君、おはよう。今日もよろしくね」
「はい、よろしくお願いします。今日は、お昼から小川総合病院ですよね」
「そうだね。あとで決めてた花を車に積み込んでくれる?」
「了解しました! 愛莉さん」
そう言って、ニコッと笑う賢人君。
見た感じ175cmくらいかな。
可愛いし、かっこいいし、オシャレだし、爽やかだし――朝から元気だし。
賢人君に対しては、いつも褒め言葉しか思い浮かばない。
「おはようございます」
店に入ると、店長がいた。
一回り年上の、とにかく仕事ができる女性。しっかりしてて頼りになるから、仕事の相談はよくしている。でも、恋愛の相談までは、恥ずかしくてなかなかできない。
誰かに聞いてもらえたら、少しはスッキリするんだろうけど……
それから、お客様の対応や、花の手入れ、雑用、掃除などをこなしながら、午前中の仕事は何とか一段落した。
「愛莉さん、積み込み終わりました」
賢人君が、病院に飾る花を車に全て積んでくれた。
見た目、細い印象の割に、賢人君は力がある。重いものもしっかり持ち上げてくれる姿は、たくましくて男らしい。こういうところにもギャップを感じて、女性はキュンとするんだろう。
長引かなくてホッとした。
あれから、一度だけ彼氏からメールがあったけど、体調のことには全く触れてなかった。
『いつ会える?』
たった1文だけの寂しいメールに、私は愕然とした。
会ってどうするの?
お金を貸してほしいだけなら、もう二度と誘わないでよ。
……このままじゃ苦しいよ。
あんな人だったと見抜けなかった自分が甘かったと、今さら後悔しても仕方ない。彼とのことは、ちゃんと考えないといけないと……本気で思った。
私は、支度を済ませて仕事に向かった。
爽やかで気持ちの良い朝。
重苦しい気分は、ひとまず胸の奥の方にしまい込んだ。
***
「ラ・フルール」に着いて、店の裏に自転車を止めた。
「おはようございます」
「賢人君、おはよう。今日もよろしくね」
「はい、よろしくお願いします。今日は、お昼から小川総合病院ですよね」
「そうだね。あとで決めてた花を車に積み込んでくれる?」
「了解しました! 愛莉さん」
そう言って、ニコッと笑う賢人君。
見た感じ175cmくらいかな。
可愛いし、かっこいいし、オシャレだし、爽やかだし――朝から元気だし。
賢人君に対しては、いつも褒め言葉しか思い浮かばない。
「おはようございます」
店に入ると、店長がいた。
一回り年上の、とにかく仕事ができる女性。しっかりしてて頼りになるから、仕事の相談はよくしている。でも、恋愛の相談までは、恥ずかしくてなかなかできない。
誰かに聞いてもらえたら、少しはスッキリするんだろうけど……
それから、お客様の対応や、花の手入れ、雑用、掃除などをこなしながら、午前中の仕事は何とか一段落した。
「愛莉さん、積み込み終わりました」
賢人君が、病院に飾る花を車に全て積んでくれた。
見た目、細い印象の割に、賢人君は力がある。重いものもしっかり持ち上げてくれる姿は、たくましくて男らしい。こういうところにもギャップを感じて、女性はキュンとするんだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
87
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる