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総支配人のお願い
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だけど、そう言いながらもまだ私を抱きしめたまま離さない。
複雑だよ、とても。
私達は付き合ってる恋人同士じゃないのに。
この行動の意味は何なの?
『そんな…謝らないで下さい。だけど、絢斗にはきっと彼女さんもいるんでしょうし、こんなこと…ダメだと思います』
『…』
『わ、私が彼女のフリをするのも、やっぱり変です。そういう話はちゃんと自分の彼女さんに頼んで下さい。ごめんなさい、すみません。私、帰ります』
今度は絢斗を無理やり振りほどいて、私はバッグを取って出口の方に向かおうとした。
『待って!帰らないでくれ』
絢斗はそう言って、今度は後ろから私を抱きしめた。
嘘…
手につかんだバッグがスルりと落ちる。
絢斗のバックハグは、徹底的に私を行動不能にした。
ずっとずっと憧れてたシチュエーション。
ダメだ、心臓が…
破裂寸前だよ。
『一花。俺には彼女なんていない、本当だ。だから君に頼んでる』
彼女いないとか本当に?
『…だとしても、私なんかにどうして?ここまでして私に頼む理由がわからないです』
『一花は、自分のことを地味な普通以下なんて言うけど、そんなことを言うのは良くない。もっと自分に自信を持てばいい』
そんなこと…
『自信なんて簡単に持てません』
それは、私がずっと抱えてきた悩み。
『なぜ?一花はそんなに可愛いのに…』
え…
今、何て…?
そんなに可愛いのに…って…
嘘だよね?
そうだよ、絢斗みたいな素敵な人が私を可愛いとか思うはずないよ。
とんでもない美人達を今まで見飽きるくらい見てきただろうし。
『からかわないで下さい。私は、自分の容姿に自信なんて持てません。可愛くなんてない。お世辞は止めて下さい。こんな気持ち、いつもキラキラしてるあなたにはわからないんです』
複雑だよ、とても。
私達は付き合ってる恋人同士じゃないのに。
この行動の意味は何なの?
『そんな…謝らないで下さい。だけど、絢斗にはきっと彼女さんもいるんでしょうし、こんなこと…ダメだと思います』
『…』
『わ、私が彼女のフリをするのも、やっぱり変です。そういう話はちゃんと自分の彼女さんに頼んで下さい。ごめんなさい、すみません。私、帰ります』
今度は絢斗を無理やり振りほどいて、私はバッグを取って出口の方に向かおうとした。
『待って!帰らないでくれ』
絢斗はそう言って、今度は後ろから私を抱きしめた。
嘘…
手につかんだバッグがスルりと落ちる。
絢斗のバックハグは、徹底的に私を行動不能にした。
ずっとずっと憧れてたシチュエーション。
ダメだ、心臓が…
破裂寸前だよ。
『一花。俺には彼女なんていない、本当だ。だから君に頼んでる』
彼女いないとか本当に?
『…だとしても、私なんかにどうして?ここまでして私に頼む理由がわからないです』
『一花は、自分のことを地味な普通以下なんて言うけど、そんなことを言うのは良くない。もっと自分に自信を持てばいい』
そんなこと…
『自信なんて簡単に持てません』
それは、私がずっと抱えてきた悩み。
『なぜ?一花はそんなに可愛いのに…』
え…
今、何て…?
そんなに可愛いのに…って…
嘘だよね?
そうだよ、絢斗みたいな素敵な人が私を可愛いとか思うはずないよ。
とんでもない美人達を今まで見飽きるくらい見てきただろうし。
『からかわないで下さい。私は、自分の容姿に自信なんて持てません。可愛くなんてない。お世辞は止めて下さい。こんな気持ち、いつもキラキラしてるあなたにはわからないんです』
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