ジョアンナ・ヴァン・ヘルシング ――The Vampire Queen
ドラキュラ伯爵に杭を打ち込んだ男、ヴァンパイアハンターのヴァン・ヘルシングには妻がいた。その妻がアンデッドになっていたら?! ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」にはこうある。「そして私は、私にとっては死んでいるけれど、しかし教会法では生きていることになっている、もう心もない妻」。小説原典にはこれについてそれ以上の説明はない。死んでいるのに生きている。死んでいるのに葬ることができない存在、はっきりと死んだ状態にない存在。死んでいるように見えるが死んでいない。生きているように見えるが死んでいる。彼の妻は不死者ではないのか?ヴァンパイアハンターであるヴァン・ヘルシングは、本来ならば不死者に対しては躊躇いなく胸に杭を打ち込む。だが、それが愛する妻ならば、杭を握る手に、槌を振るう手に、力を込められただろうか?思い出して欲しい。ヴァン・ヘルシングは小説「ドラキュラ」でヴァンパイア化したルーシーに杭を打ち込む役を誰に任せたかを。ルーシーの婚約者であるアーサー・ホルムウッドだった。あれは苦い自戒ではなかったのか?自らの躊躇いゆえの過ちを若い世代に繰り返させないための非情の決断だったのではないか。いまかつての妻は幽閉されていた結界の牢獄を脱出した。彼女はヴァンパイアクイーンとして何をしようとするのか?
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